毎日違う表情を見せる空。

空を見上げると、様々な種類の雲があります。

丸い雲、薄い雲、どんよりした雲・・

雲はどうやってできるのでしょうか?

また、実際に雲を作ってみました。

ある秋晴れの日。巻雲がまるで白波のようですね

曇って何?

雲とは、空気中の水蒸気がまとまった小さい水の粒の集まりです。

普段は目に見えませんが、空気中には水が含まれています。

冬の寒い日に息を吐くと白く浮かびませんか?

あれは息から出た温かい水蒸気が、周りの空気に冷やされて水の粒となった状態です。

地球の上空の空気には、上に向かって吹く流れ(上昇気流)と

下に向かって吹く流れ(下降流)があります。

上昇気流に乗って空気中に浮かぶのです。

地上の空気に含まれている水分が上昇流によって上にあがり、

上空は気温が低いため、空気が冷やされて水の粒になります。

そうやって浮かんだ水の粒が集まったものが雲となります。

一方、下降流のところではあまり雲はできません。

気象庁の解説はこちら

ある日の雲。上昇流と下降流の境目で雲が途切れています。
私はちょうど雲の下にいたのですが、人間の感覚では上昇流を感じられませんでした。

上昇流って?

エアコンを思い出してください。

暖房は部屋の上のほうから、冷房は下のほうから

快適な空気となりますよね?

空気は、温められたら上に上がる性質を持っています。

太陽に温められた地面の空気が上に浮かんでいこうとすること、

それが晴れの日の上昇流になります。

太陽で温められた地面の水分が蒸発していきます

※一例です。他にも、高気圧と低気圧の気圧差や、

風の収束など様々な成因があります。高気圧の説明は過去記事「なぜ高気圧に覆われると晴れる?」にて

雲は落ちないの

上昇気流で水の粒が浮かんだのが雲なんだったら、

水の粒が集まりすぎて、上昇流より重たくなったら落ちるんでないの?と思いませんか。

結果から言うと、落ちます。

より正確に言うと、雲として落ちるのではなく、

雨として落ちます。

雲も雨も素材は一緒です

上昇流で浮かんだ水滴たち(雲)は、

お互いにぶつかりながら大きくなります。

そして大きくなりすぎると上昇流でも支えきれなくなっちゃうんですね。

自分たちの重さに耐えきれなくなったときに

雨として落ちてきます。

いわば、雲のダイエットです。

(そして減らした分はまた上昇流に乗せて新しい雲となるのですが・・・ダイエットと一緒ですね。終わりません。)

雲をつくってみた

本当に水蒸気と上昇流で雲ができるのかためしてみました。

今回はペットボトルの中に雲を作ってみようと思います。

準備するもの

ペットボトル

線香

お湯(50〜60度くらい)

  • ①まず、ペットボトルにお湯を張ります

これが水蒸気のもとです

  • ②続いて、線香の煙をいれます

雲の粒の核になる〈ちり〉となります

実は雲の粒は100%水だけでできているのではなく、

水の粒となるための核が必要なんです

核に水蒸気たちが集まって、雲の粒になります。

  • ③ペットボトルを押して凹ます

ペットボトルの中の圧力を高めることで

ペットボトルの中の温度をあげます

  • ④ペットボトルを緩める

急にペットボトルの中の圧力を戻すことで、

ペットボトルの中に上昇流を作ります。

中にできた白いものが、雲です

よく見えないので押し出してみました

無事に雲が作れて安心です。

皆さんもよかったら作ってみてください。

Tags: 気圧, 気象予報士試験, 理科