【バイアスとは】修正できるってどういうこと?

学科の専門知識を勉強中の受講生から質問です!

受講生
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天気予報ガイダンスのカルマンフィルターの長所にある
「バイアスが修正できる」とはどいう意味でしょうか。

受講生
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「カルマンフィルターの長所として『バイアスが修正できる』」とあるのは、
予報モデルの“ズレ(かたより)”を観測によって自動的に補正できるという意味です。

天気予報ガイダンスのカルマンフィルターの長所として挙げられる「バイアスが修正できる」とは、非常に重要な機能です。

これは簡単に言うと、「予測のズレ(偏り)を自動的に学習し、次回以降の予測に反映させて、より正確な予報に改善できる」という意味です。

この記事では気象予報士試験の学科・専門知識を勉強中の方に向けて、「バイアスの修正」についてわかりやすい解説をしていきます。

※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。

「バイアス(bias)」とは何か?

気象予報における「バイアス」とは、予測値と実際の観測値との間に生じる、系統的・傾向的なズレ(偏り)のことです。

例えば・・・

  • 常に気温を1℃高く予報してしまう傾向
  • 雨の量を常に少なめに予報してしまう傾向
  • 低気圧の進路を常に東にズレて予報してしまう傾向
  • 風速を過大評価してしまう傾向

このような「特定の方向に偏る間違い」がバイアスです。これは、使用している数値予報モデルの特性、観測データの持つ誤差、あるいは解析手法の限界など、様々な原因で発生します。

カルマンフィルター

カルマンフィルターは、主に数値予報の精度向上と、ガイダンス(予報支援資料)の作成に活用されている統計的な手法です。

カルマンフィルターは「数値予報の予想値」を参考に、「実況値」との間に統計的関係を見出し
その式に数値予報のデータを入れることで天気予報に翻訳します。


式に用いる系数を直近の観測値で随時更新するという学習能力が付いたので比較的短い期間で予報が安定します。
その翻訳の過程で、地形データによるものなど一部のバイアス(誤差)を修正できるのです。

ニューラルネットワーク

ニューラルネットワークは、AIを使って天気予報の精度を上げるための仕組みです。

過去の気象データや現在の観測データからパターンを学習し、より正確な予報や異常気象の予測、地震・津波の解析などに活用されています。

数値予報の結果を過去の気象データや観測データと学習させ、気温、降水量、風などの具体的な予報要素を高精度に予測するガイダンスの作成に利用されています。

常に修正を繰り返し、より良くしていくイメージですね。

カルマンフィルターが「バイアスを修正できる」仕組み

カルマンフィルターは、予測誤差を最小化するための強力な統計的手法であり、特に時系列データ(時間の経過とともに変化するデータ)の推定に優れています。

カルマンフィルターがバイアスを修正できるのは、主に以下のメカニズムによるものです。

予測値と観測値の比較(フィードバック)
  • カルマンフィルターは、まず現時点での予測値を算出します。
  • 次に、実際の観測データが利用可能になった時、その観測値と予測値を比較します。この比較によって「どれくらいズレていたか」を把握します。
誤差の推定と学習
  • この「ズレ」の中に、予測の不確かさ(ランダムな誤差)だけでなく、系統的な「バイアス」が含まれているとカルマンフィルターは判断します。
  • カルマンフィルターは、過去の予測と観測の履歴から、このバイアスがどれくらいの大きさで、どのような傾向を持っているかを自動的に学習・推定します。
予測モデルの補正
  • 学習したバイアスの情報を元に、次回以降の予測を行う際に、そのバイアス分を自動的に差し引いたり、あるいは加えたりして、予測値を修正します。
  • 例えば、「過去のデータから、このモデルは常に気温を1℃高く予測する傾向がある」と学習したら、次回からは予測された気温から自動的に1℃差し引いて表示する、といったイメージです。

「バイアス修正」の長所

この機能により、天気予報ガイダンス(数値予報モデルの出力を、さらに統計的に補正して予報を作成するシステム)は、以下のようなメリットを得られます。

  • 予報精度の向上: 系統的な誤差が取り除かれるため、予測値が実際の観測値により近くなり、予報全体の精度が向上します。
  • モデルの弱点を補完: 数値予報モデル自体が持つ特定の癖や弱点(例:特定の地形での雨量の過少評価など)を、統計的な手法で補うことができます。
  • 予報官の負担軽減: 予報官が手作業でバイアスを修正する手間が省け、より複雑な気象状況の判断に集中できます。
  • 適応性: 時間の経過とともにモデルの性能が変わったり、観測網が変化したりしても、それに合わせて自動的にバイアス修正の係数を調整し、常に最適な状態に保とうとします。

まとめ

カルマンフィルターの「バイアスが修正できる」というのは
予報モデルの“ズレ(かたより)”を観測によって自動的に補正できるという意味。

「バイアスが修正できる」ことの長所は、過去の予測と観測の「実績」を元に、予報が持つ「偏り」を自動的に見つけ出し、将来の予報にフィードバックして精度を高めることができる、ということ。

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