- 飽和水蒸気圧とは、「ある温度において、水が空間に放出することができる水蒸気の分圧の限界値」のこと。
- 飽和水蒸気圧が温度にのみ影響されるのは、他の気体の気圧が関係ないから!
受講生からのお悩みです!

飽和水蒸気圧と気圧に影響されない…というのがよくわかりません!
丸暗記も限界です!

丸暗記での勉強には限界がありますね。
では、理解することで自然に覚えられるように解説しますよ!
気象予報士試験対策の勉強は、範囲も量も多いですから、どうしても理解できないところは丸暗記に頼ってしまいますよね。
でも丸暗記では、ちょっと捻りのある問題が出た時に「覚えた言葉と違うし、ちょっとわからない!」と混乱してしまいます。
そこで今回は、丸暗記してしまいがちな「飽和水蒸気量」について。なぜ温度にのみ影響されるのか、しっかり理解できるように解説しています。
ぜひ受験勉強にお役立てください。
※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。
飽和水蒸気圧とは「限界値」のこと!
飽和水蒸気圧とは、「ある温度において、水が空間に放出することができる水蒸気の分圧の限界値」のこと。
ざっくり言うと、「その温度で、どれだけたくさんの水蒸気が空間に存在できるか」の指標です。
空気はあってもなくても関係ありません。「空気中に」ではなく「空間に」です。
だから、飽和水蒸気圧は気圧に左右されず、温度にのみ影響されるのです。
飽和水蒸気圧が温度にのみ影響される理由
テキストなどで「飽和水蒸気圧は気圧に依存しない」と説明されても、どうにも理由がわからず、仕方なく丸暗記している人も多いと思います。
でも大丈夫。ここでは今までの丸暗記の悩みがスッキリ解決すること間違いなしです。
では早速、ミクロな視点で水分子から見てみましょう!
第1章:水分子の「脱走」と「帰還」(ミクロの視点)
まずは水面で起きているミクロなバトルから始めます。
- 水分子は、「温度(熱エネルギー)」が高くなるほど、激しく暴れて液体から飛び出そうとします(蒸発)。

- 一方で、空間の中の水蒸気は水面に戻ろうとします(凝結)。

- この「飛び出す勢い」は、水自身の温度(空間と接している水面の温度)だけで決まってしまい、外の気圧がいくらであろうと関係ありません。
なぜなら、気体分子の間はスカスカで、空間(空気)が水面を「フタ」のように物理的に抑え込むことはできないからです。
第2章:飽和という「平衡状態」
温度に応じた水分子の、液体の水から空間へ「飛び出す勢い」と、空間から液体の水へ「戻る勢い」がちょうどつり合ったとき、その空間に存在できる水蒸気の量が決まります。
この「温度だけで決まった限界の圧力」こそが、飽和水蒸気圧です。
「温度だけで決まった限界の圧力」は、他の分子に干渉しません。(ドルトンの分圧の法則)
だから、全圧(気圧)が変化しても、水蒸気は自分の決めた限界(飽和水蒸気圧)を貫けるのです。
第3章:ドルトンの分圧の法則(マクロの視点)
飽和水蒸気圧が温度だけで決まる理由=「ドルトンの分圧」とは・・・
一言でいえば「混ぜ合わされた気体の全体の圧力(全圧)は、それぞれの気体が単独で示す圧力(分圧)をすべて足したものに等しい」という法則です。
1801年にジョン・ドルトンによって発見されました。
1. 法則の考え方:みんな勝手に動いている
この法則の根底には、「気体分子はお互いに干渉せず、まるで他の気体がいないかのように振る舞う」という考え方があります。
- 全圧: 混合気体(空気など)が容器を押し広げようとする全体の力。
- 分圧: その気体の中の「特定の成分(例えば水蒸気だけ)」が、同じ容器を独占したときに示すはずの力。
2. 数式で表すと
成分気体 A, B, C… が混ざっている場合、全圧 は以下のようになります。
𝑃=𝑝𝐴+𝑝𝐵+𝑝𝐶+…
(𝑝𝐴,𝑝𝐵… はそれぞれの成分の分圧)
3. 飽和水蒸気圧とのつながり
「空気が抱えられる水蒸気の最大分圧(飽和水蒸気圧)」は、他の気体(窒素や酸素)がどれだけいようが(全圧がいくらだろうが)、水蒸気自身の都合(温度)だけで決まる、ということです。
部屋干しと飽和水蒸気圧(乾燥しているのに「部屋干し」が乾かないワケ)

ここで身近な現象から、飽和水蒸気圧についておさらいしましょう。
冬は加湿器が必要なほど乾燥しているのに、部屋干しの洗濯物がなかなか乾かず困ったことはありませんか?
冬の「乾燥」の正体は「水蒸気圧」の低さ
冬に「乾燥している」と言うとき、多くの場合は空気中に含まれている水蒸気の合計量(絶対湿度)が少ないことを指しています。
その空間の「絶対湿度が低い」ということは、「水蒸気圧が低い(水蒸気の量が少ない)」ということになります。
- 冬の温度:そもそも気温が低いため、空気に接する水面の温度が低くなります。
- 結果:水面の温度が低いため、空気中(空間)へ放出できる水蒸気の量が少なくなり、「相対湿度(定員に対する埋まり具合)」はすぐに上がってしまいます。
洗濯物が乾くスピードを「飽和水蒸気圧」 で考える
洗濯物が乾く速さは、水蒸気の絶対量ではなく、相対湿度で決まります。
相対湿度が低いほど、洗濯物が速く乾きますね。
この場合は室内なので「気圧が一定のまま」という条件になります。
そして相対湿度を下げるということは、飽和水蒸気圧を増やすということです。
つまり、飽和水蒸気圧を増加させるには、温度を高くすれば良いので・・・
まさに、「飽和水蒸気圧は温度にのみ影響を受ける」を体感できるのが、「部屋干し」なのです。
洗濯物にサーキュレーターなどで風を当てると、何もしないよりずっと速く乾きます。
これは、洗濯物の周りにある「飽和した空気のバリア」を、物理的に吹き飛ばすからです。
まとめ
飽和水蒸気圧は、ある温度において、水が空間に放出することができる水蒸気の分圧の限界値です。
この限界値は、他の空気分子に邪魔されません。
水蒸気分子の都合のみで決まります。
他の空気分子に邪魔されないということは、気圧がどのように変化しようが、飽和水蒸気圧には関係ないのです。
飽和水蒸気圧に影響するのは、「空間に接している液体の水の表面温度」です。
とはいえ・・・液体の水も空間の温度も同じになる空の上では、この水の温度か空気の温度かの区別は必要ありません。

ちなみに、飽和水蒸気圧は、温度に比例するのではなく
温度が上がれば指数関数的に増えます。
「気象予報士の資格は取りたいけど、どのように勉強すれば良いのかわからない」
「テキストを買ってみたけれど、わからないことだらけ…」
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