
ーここでわかることー
▶︎温位は、「ある空気塊を乾燥断熱的に1000hPaまで下げた温度」
▶︎相当温位は、「温位に水蒸気の凝結による熱を加えた温度」
気象予報士試験を突破するために必須の知識である「温位」と「相当温位」ですが…
初めて気象学を学ぶ場合、ややこしくてイマイチ理解できない!とお困りの方も多いです。
でも大丈夫!
一緒にじっくり学んでいきましょう。
※この記事は当講座に在籍する気象予報士が監修しております。
温位と相当温位の定義
温位は、不飽和空気塊の性質を考えたり、比べたりする時、相当温位は、飽和・凝結している空気塊の性質を考えるときに便利な物理量です。
さて、何でもそうなのですがまずは「言葉の意味=定義」を正確に捉えましょう。
①温位
ある空気塊を乾燥断熱的に1000hPaまで下げた温度
②相当温位
・空気塊が含む水蒸気がすべて凝結・放熱して昇温する効果
・基準気圧1000hPaまで断熱変化した時の断熱昇温効果
相当温位は、2つの効果考えた温度(の値)ということになります。
要は「温位+空気塊が含む水蒸気がすべて凝結し昇温する効果」です。
とにかくまずは温位と相当温位の意味を確実に押さえてください。
温位とは
まず、温位から考えていきましょう。
温位は、「断熱変化をする限りその物理量は保存」されます。
要は「(ある)温位の値は、乾燥断熱変化をする限り、その値は変わらない」ということです。
いろんな「飽和していない空気」を1000hPaで比べるので、「未飽和空気の本当の状態」を知ることが可能です。
たとえば
①上空1000メートルで10度
②上空2000メートルで10度
この2つの未飽和空気塊の温位を比べています。
乾燥断熱減率(1度/100m)で1000hPaまで下げると
①の空気塊は20度
②の空気塊は30度
②の空気塊のほうが温位が高いというのがわかります
(本来温位は絶対温度で計算すべきなのですが、わかりやすくするため摂氏の温度にしています)
またこの勉強をしていく途中で
「地上の温度に比べて、上空の温度が低いのに、大気が不安定じゃないのはなぜ?」
と疑問に思う方が多いですが、ここでも温位が役に立ちます。
例えば・・・
①地上A地点の気圧を1000hPaとし、気温が10度とします。
②またそのA地点の上空1000mの気温が5度とします。
その上空では未飽和とします。
さて、この時
上空が冷たいのになんで大気の状態が不安定じゃないの?
という話になります。
繰り返しになりますが
温位は「ある空気塊を乾燥断熱的に1000hPaまで下げた温度」でした。
なので
①A地点の温位も10度です。
(1000hPaにありますので値はそのまんまです。)
②上空1000mの5度の空気を地上1000hPaまで下げると
乾燥断熱減率で下がるので10度上がって、「15度」になります
これが上空1000mの②の空気の「温位」です
ということは、上空では5度だけど、温位が15度で、地上よりも温かいため
下降してこないということなんです。(大気の成層が安定している。)
温位は未飽和の空気塊の状態を考えるときに役立ちます。
(安定か不安定など)
相当温位とは
相当温位は
・空気塊が含む水蒸気がすべて凝結・放熱して昇温する効果
・基準気圧1000hPaまで断熱変化した時の断熱昇温効果
以上、2つの効果考えた温度(の値)です。
また相当温位は乾燥断熱変化でも湿潤断熱変化でも保存(値が変わらない)されます。
なぜなら相当温位は「凝結熱で温まった空気塊の温位」と考えるため
空気塊の「水蒸気が0」なら、凝結熱が発生しないので「凝結熱も0」ということで
「温位=相当温位」です。
空気塊の水蒸気量が多いほど、「温位<相当温位」になります。
相当温位は「大気の不安定度」を考えるときに非常に役立ちます。
実際の気象を予報するときに、それ専用のデータもあります。
温位と相当温位は何が違うか
温位は、ある空気塊を乾燥断熱的に1000hPaまで下げた温度
相当温位は
・空気塊が含む水蒸気がすべて凝結・放熱して昇温する効果
・基準気圧1000hPaまで断熱変化した時の断熱昇温効果
以上、2つの効果考えた温度。
相当温位は、「温位+空気塊が含む水蒸気がすべて凝結し昇温する効果」で
空気の温度だけではなく、空気中の水蒸気が多いのかもわかるとても便利なものなのです。
気象予報士試験を受験する際にも必須の知識ですので、しっかり覚えておきましょう。
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