受講生の方から質問です!

「潜熱(せんねつ)」と「顕熱(けんねつ)」の違いはなんですか?

潜熱は、物質の状態を変化させる熱で
顕熱は、物質の温度を変化させる熱のことです。
皆さんは、やかんの湯気がもくもくと立ち上るのを見たことがありますか?
あるいは、冷たい飲み物を入れたグラスの周りに水滴がつく現象は?
これらは日常生活でよく目にする光景ですが、実はその裏には「熱」の不思議な働きが隠されています。
熱と聞くと、温度計の目盛りが上がるような「暑さ」や「冷たさ」をイメージしがちですよね。
もちろん、それも熱の一面です。
しかし、私たちが普段意識している「温度変化を伴う熱」の他にも、実は「温度は変わらないのに、モノの状態だけを変える熱」が存在することをご存知でしょうか?
この二つの異なる熱の働きこそが、ここで解説する「潜熱(せんねつ)」と「顕熱(けんねつ)」です。
名前だけ聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、私たちの身の回りにある様々な現象を理解する上で、この二つの熱の概念はとても重要なんです。
エアコンの仕組み、地球の気候、さらには料理の科学まで、潜熱と顕熱はあらゆるところで活躍しています。
この記事では、熱の基本的な知識からスタートし、潜熱と顕熱が一体何なのか、そしてそれらが私たちの生活や自然現象にどう関わっているのかを、初めて学ぶ方にも分かりやすく、具体的な例を交えながら徹底解説していきます。
さあ、一緒に熱の奥深い世界を覗いてみましょう!
※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。
潜熱と顕熱を基礎からやさしく
潜熱と顕熱・・・その漢字から、なんとなくイメージはできるかも知れませんが、それぞれの定義と特徴から説明しますね。
潜熱とは?
「潜熱(せんねつ)」は、水が状態を変えるときに出入りする“かくれた熱”のことです
たとえば、水が氷から水に変わったり、水から水蒸気になったりするとき、温度は変わらないのに熱エネルギーが必要になります。
このときの熱を「潜熱」と呼びます。

逆に、水蒸気が水に戻るときや、水が氷になるときには、周りに熱を放出します。
これも潜熱です。
潜熱の例を挙げてみましょう。
- 水が蒸発して水蒸気になるとき ⇒ 潜熱を「吸収」する(まわりが冷える)
- 水蒸気が水に戻るとき ⇒ 潜熱を「放出」する(まわりがあたたまる)
このように、潜熱は気温の変化なしに熱をやり取りする重要なエネルギーで、天気の変化にも深く関係しています。
顕熱とは?
「顕熱(けんねつ)」は、温度が変わるときに感じたり測ったりできる“目に見える熱”のことです。

たとえば、水を加熱すると温度がどんどん上がりますよね。
このときに加えられている熱が「顕熱」です。
温度計で測れるような、温度の上昇や下降を引き起こす熱が顕熱です。
つまり顕熱の特徴をまとめると、以下のようになります。
- 温度の変化をともなう熱エネルギー
- 状態(液体・気体など)の変化は起きない
- たとえば、暖房で部屋をあたためたり、冷たい風で体が冷えたりするのは顕熱のはたらきです
もう、潜熱と顕熱の違いがわかってきましたか?
潜熱と顕熱の違いをわかりやすく
潜熱と顕熱を、専門用語を使わずまとめます!
⇒ 「温度は変わらないけど、姿が変わるときの熱」
- 氷が水に、水が水蒸気になるなど、状態が変わるときに使われる(または出される)熱
- 温度はそのまま
- 熱は「かくれている」ように感じられる
⇒ 「温度が変わるときの、感じられる熱」
- 水や空気があたたかくなったり冷たくなったりするときの熱
- 温度が変化する
- 温度計で測れる
ここから、以下のようにイメージできますね。
- 氷が水に変わるとき → 潜熱(温度は0℃のまま)
- 水がぬるくなるとき → 顕熱(温度が上がる)

つまり、顕熱は「温度そのものを変える熱」、潜熱は「状態を変えるけど温度が変わらない熱」です。
潜熱と顕熱の違いを表にまとめました。↓
特徴 | 顕熱(Sensible Heat) | 潜熱(Latent Heat) |
---|---|---|
主な変化 | 温度変化 | 状態変化(相転移) |
温度計での測定 | 直接測定できる | 直接測定できない |
例 | 水を温める、空気を冷やす | 氷が融ける、水が蒸発する |
顕熱も潜熱も様々な現象に関わってきますので、この機会にしっかり覚えてくださいね。
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