大気の安定・不安定をスッキリ解説!

受講生の方から質問です!

受講生
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大気の安定・不安定について、いつも混乱してしまいます!

目に見えない「大気が安定・不安定」と言われても、ピンときませんよね。

そんなモヤモヤがなくなるよう、ここでスッキリさせておきましょう!

それでは説明スタート!

大気の安定しているとは

「大気が安定」な状態は、「動きにくい空気の状態」のこと。
また、周囲の気温減率が乾燥断熱減率よりも小さい状態のこと。

乾燥断熱減率とは、乾燥した空気塊が断熱的に(外部との熱のやり取りなしに)上昇または下降する際に、高度1kmあたり約10℃の割合で温度が変化する割合のことです。

大気が安定している場合、周囲の空気の気温は、高度が上がるにつれて1kmあたり10℃よりも緩やかにしか下がらないか、あるいは逆に上がっている(逆転層)状態です。

ここで、ある高さの乾燥した空気塊が何らかの力で少し上昇したと仮定します。
この空気塊は断熱膨張するため、乾燥断熱減率に従って温度が下がります(1km上昇するごとに約10℃低下)。

一方、周囲の空気の温度低下は、乾燥断熱減率よりも小さい、つまり温度がゆっくりとしか下がらないか、むしろ上がっています。そのため、上昇した空気塊は、常に周囲の空気よりも温度が低くなります。

温度が低いということは密度が高いということです。
したがって、上昇した空気塊は周囲の空気よりも重くなり、浮力を失って元の低い高度に戻ろうとします。

同様に、この空気塊が下降した場合、断熱圧縮によって乾燥断熱減率に従って温度が上がります(1km下降するごとに約10℃上昇)。周囲の空気の温度上昇は、乾燥断熱減率よりも小さいため、下降した空気塊は常に周囲の空気よりも温度が高くなります。

温度が高いということは密度が低いということです。したがって、下降した空気塊は周囲の空気よりも軽くなり、浮力を得て元の高い高度に戻ろうとします。

このように、周囲の気温減率が乾燥断熱減率よりも小さい場合、持ち上げられた空気塊は常に周囲よりも重く、沈められた空気塊は常に周囲よりも軽くなるため、元の高度に戻ろうとする力が働き、「大気が安定」な状態となるのです。

大気の不安定とは

「大気が不安定」な状態は、周囲の気温減率が乾燥断熱減率よりも大きい状態のこと。

大気が不安定な場合、周囲の空気の気温は、高度が上がるにつれて1kmあたり10℃よりも急激に低下しています。

ここで、ある高さの乾燥した空気塊が何らかの力で少し上昇したと仮定します。この空気塊は断熱膨張するため、乾燥断熱減率に従って温度が下がります(1km上昇するごとに約10℃低下)。

一方、周囲の空気の温度は、それよりも急激に下がっています。そのため、上昇した空気塊は、すぐに周囲の空気よりも温度が高くなります。

温度が高いということは密度が低いということです。したがって、上昇した空気塊は周囲の空気よりも軽くなり、浮力を得てさらに上昇しようとします。

同様に、この空気塊が下降した場合、断熱圧縮によって乾燥断熱減率に従って温度が上がります(1km下降するごとに約10℃上昇)。周囲の空気の温度は、それよりも緩やかにしか上がらないため(高度が下がるにつれて急激に下がるため)、下降した空気塊はすぐに周囲の空気よりも温度が低くなります。

温度が低いということは密度が高いということです。したがって、下降した空気塊は周囲の空気よりも重くなり、さらに下降しようとします。

このように、周囲の気温減率が乾燥断熱減率よりも大きい場合、少し持ち上げられた空気塊はさらに上昇し続け、少し沈められた空気塊はさらに下降し続けるため、「大気が不安定」な状態となるのです。

この不安定な状態では、上昇気流が活発になりやすく、積乱雲が発達して雷雨や激しい降水、突風などの悪天候が発生しやすくなります。

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