
ーここでわかることー
▶︎ブルーモーメントはどんな現象なのか
▶︎ブルーモーメントの仕組み
▶︎いつ・どんな天気・どんな場所で見れるのか
▶︎ブルーアワーとの違い
ドラマでも有名になった「ブルーモーメント」、言葉としても素敵な響きですよね。
なんとなく、青いんだろうなと想像はするけど、細かいことは知らないなぁ…。
ということもあるでしょう。
そこで今回は「ブルーモーメント」について、難しい言葉抜きでわかりやすく解説していきます。
読み終わる頃には、ブルーモーメントを見にいきたくてウズウズしているかもしれませんよ。
それで最後まで、楽しんでご覧ください。
※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。
ブルーモーメントとは
ブルーモーメントは、日の出の直前と日没の直後に空全体が美しい濃い青色に染まる現象のことであり、その時間帯のことでもあります。
現象と時間帯、どちらの意味もあるんですね。
さて、「ブルーモーメント」はその名の通り、空が青く見えるのですが、普通の青空とどう違うのでしょうか?
ブルーモーメントはどんな空?
このブルーモーメントの間、空は日中の青空とは違う、深い深い青に包まれます。
深く、鮮やかな青です。
また、太陽が地平線のぎりぎりにある時間帯ですので、深い青色に加えて、うっすらと太陽のオレンジ色が差し込んでいることもあり、とても神秘的で幻想的な時間です。
元々、ブルーモーメントは北欧で生まれた言葉だと言われており、北極や北欧など高い緯度の地域では、日本よりやや長い時間見ることができます。
ちょっと羨ましいですね。
ブルーモーメントの仕組み
ブルーモーメントは、太陽光が大気圏を通過する距離が長く、波長の短い青色の光がより強く散乱されることで起きます。
この場合「波長」は、光の波だと思ってください。
「色によって波長は長かったり、短かったりする」と頭に置いて、読み進めてください。
・・・・・・・・
太陽の光は地球に届くまでに「空気の層」を通過し、空気中の酸素や窒素の分子に当たって光が散らばります。
その散らばった光の色が多いほど私たちの目に映りやすくなります。
しかし、その色はいつも同じではありません。
なぜならば、太陽は一日中動いているため、地球との距離が変わります。
距離が変わると、届く波長も変わるため、散乱する光の色も変わります。
波長とは「波の長さ」で、波長が短い・長いという表現をします。
距離が近いと波長が短くなり、距離が多いと波長が長くなります。
ですので、私たちが見ている空の色は太陽と地球との距離によって変わります。
日中は青い色の光が散乱しやすい距離になっていて、空が水色や青に見えます。
朝焼けや夕焼けは太陽が地平線に近いところにあるので、日中よりも地球との距離が離れます。
そうなると、波長が長くなってきて、それに反応する赤い色が散乱して朝焼けや夕焼けはオレンジや赤く見えます。
では、ブルーモーメントの時間帯は・・・
太陽が地平線のぎりぎりのとこにあって、太陽から直進する光は見えないものの、太陽光が地球の大気圏を長い距離通過します。
この長い距離を通過する間に、波長の長い光は散乱されにくく見えなくなってしまいます。
一方青色の光はより強く散乱され、空全体に広がります。
こうして、青色の光だけが空に残るため、空が濃い青色に染まるのです。
またこの時太陽は地平線の下ですから、低い角度から光が入ってくるため、空の高いところにあたって散乱し、濃い青色が見えやすくなります。
日中の空が薄い青や水色になるのは、日中は青以外にも緑や黄色、オレンジ、赤などの色の光があり、これらも一緒に散乱しているためです。
様々な色の光が混ざるため、白っぽく明るい水色となります。
一方で、ブルーモーメントはまじりっけがない青色だけが目に映るので、深い青に見えるのです。
(※気象予報士を勉強している人は「大気の放射」のレイリー散乱、ミー散乱を復習しましょう!空が青く見えるのはレイリー散乱ですよね!)
いつ見られる?
ではブルーモーメントを見るために、最適な時間帯・天気・場所についてです!
時間帯
ブルーモーメントは日の出前、もしくは日の入り後に見ることができます。
日の入りよりも日の出の時間帯のほうが濃いブルーになりやすいです。
朝は東側、夕方は西側に空が広がっていれば、どこでも見ることが可能ですし、季節も問いません。日本だと5分から長くて15分程度見られます。

日の出 | 夜空 | ブルーモーメント | オレンジ(朝焼け) | 青空 |
日の入り | 青空 | オレンジ(夕焼け) | ブルーモーメント | 夜空 |
ブルーモーメントが現れる時間帯は「薄明」とも言われる時間帯です。
※薄明は「少し薄暗いけれど周りは見える時間帯」を指します。
天気
最適な天気は「晴れ」!
そして、水蒸気が少ない日が良いです。
薄曇りや雲が多少出ていても見ることはできますが、雲が厚かったり雨や雪が降ったりしている時は、太陽の光が届かないためブルーモーメントを見ることはできません。
空気中にチリや水蒸気が多くなると、それらが光を散乱させるため、青色がぼやけて白っぽく見えます。
ですので春や夏よりも、比較的乾燥していて気温が低い秋や冬が、綺麗な濃い青色のブルーモーメントを見ることができます。
また、ブルーモーメントは雲の有無や湿度でその青色の濃さが変わります。
場所
周囲に高い建物や障害物がない場所がおすすめです。
日の出前なら東の空、日没後なら西の空が開けている場所を選びましょう。
日の出・日の入りの調べ方
日の出・日の入りの時間はスマホ一つで簡単にわかります。
実はGoogleのChromeで「日の出・日の入り」と検索するだけで、時刻が表示されますし
天気予報アプリで表示されるものもあります。
他には、国立天文台の「各地のこよみ」でも、日の出・日の入り時刻を調べることができます。
▶︎(国立天文台「各地のこよみ」)
よく似た現象との違い
「ブルーモーメント」とよく似た言葉に「ブルーアワー」があります。
また、「ブルーアワー」とよく似た言葉に「マジックアワー」があります。
これらは、どこがどう違うのか、ここで整理しておきましょう!
ブルーアワーとの違い
「ブルーアワー」も「ブルーモーメント」と同様に空が青くなる現象と時間のことをさすが、「ブルーアワー」の方が見られる時間が長い。
「ブルーアワー」も「ブルーモーメント」と同じ現象なので、その瞬間の切り取り方として考えると良いですね。
その名の通り、ブルーモーメントは瞬間なので、「最も青くなる瞬間」です。
マジックアワーとの違い
マジックアワーは、空が様々な美しい色に染まることであり、その時間帯のことだが、ブルーモーメントは深い青のみという違いがある。
「マジックアワー」もブルーモーメント・ブルーアワーと同じように日の出前・日の入り直後のわずかな時間帯に見られる現象ですが、とってもカラフルです。
空が金色やオレンジ色、ピンク色など、様々な色に染まります。
まとめ
ブルーモーメントは、日の出の直前と日没の直後に空全体が美しい濃い青色に染まる現象のことであり、その時間帯のこと。
太陽光が大気圏を通過する距離が長く、波長の短い青色の光がより強く散乱されることで起きます。
日の出前、もしくは日の入り後に見ることができますが
日の入りよりも日の出の時間帯のほうが濃いブルーになりやすいです。
最適な天気は「晴れ」で、水蒸気が少ない日が見やすいでしょう。
また、周囲に高い建物や障害物がない場所がおすすめです。
「日の出・日の入り」の時刻は、GoogleのChromeで「日の出・日の入り」と検索するだけでわかります。
「ブルーアワー」は「ブルーモーメント」と同じ現象。
ブルーモーメントの方が深い青で、見れる時間は短いです。
ちなみに、マジックアワーは、空が様々な美しい色に染まることです。
タイミングが合うと、空だけでなく、山や高い建物も全てが濃い青色に包まれます。
ブルーモーメントが見られる気象条件はさほど厳しくはありません。
季節としても、見られやすい季節はありますが、NGな季節はありませんので、日の入り・日の出時間は空を見上げてみて、ブルーモーメントを見つけてください!
気象予報士アカデミー受講生からの「ブルーモーメント写真集」はこちら
「気象予報士の資格は取りたいけど、どのように勉強すれば良いのかわからない」
「テキストを買ってみたけれど、わからないことだらけ…」
「一人で受験勉強をする自信がない」
などなど、一人で悩んでいませんか?
気象予報士アカデミーでは、LINEでの受講相談を受け付けております。
友達登録していただいた方には、3分でわかる気象予報士合格ポイント動画をプレゼント!
ぜひご登録ください。
\ 講座へのご質問はお気軽に! /