対流圏界面の高さはどう決まる?赤道と極で違う理由を優しく解説

ーここでわかることー
▶︎そもそも対流圏界面とは
▶︎対流圏界面の高さは低緯度(赤道付近)の方が高い
▶︎対流圏界面の温度は低緯度(赤道付近)の方が低い
▶︎本当に低緯度の方が温度が低いのか計算で証明

対流圏界面では、北極や南極より赤道付近の方が温度が低い?
赤道付近は一年中暖かいはずなのに、一体どういう理屈???

不思議ですよね。

赤道付近は常に太陽からたくさんのエネルギーを受け取っているはずですし、1年中暖かいのですから。

しかし対流圏界面では、北極や南極より赤道付近の方が温度が低くなっているのです。
これは地上からの高さに関係します。

ここでは、対流圏界面の高さや温度について
気象学を学んだことがない方にも理解できるように、専門用語を使わず、わかりやすく解説しています。

気象予報士を目指す方もそうでない方も、ご一緒に楽しく学びましょう!

※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。

対流圏界面とは

対流圏界面とは、対流圏と成層圏の境界領域です。
つまり、「対流圏の一番上」のことなんですね。

対流圏では基本的に、上層へ行くほど温度が低くなります。

気象庁のホームページより、地球の大気の温度を大まかに表したグラフをお借りしました。

引用元:気象庁

上のグラフを見ると、対流圏界面についてイメージしやすいのではないでしょうか。

さて…この対流圏界面の高さは「緯度」によって違いがあります。
対流圏界面の高さを決めるのは緯度だけはありませんが、今回は「緯度」に注目して解説しますよ。

対流圏界面の高さと緯度の関係

対流圏界面は高気圧や低気圧が通過する度に多少上下に変化するのですが、一般的に、緯度によって違いがあります。

大まかに対流圏界面の高さは、地上から8km 〜 16km。
高いところと低いところを比較すると2倍も違うんですね。

表にまとめると、以下のようになります。

緯度対流圏界面の高さ
低い(赤道付近)高い(約16km)
高い(北極や南極付近)低い(約8km)

対流圏界面の高さは、緯度が低い方(赤道付近)で高くなり、緯度が高い方(北極や南極付近)で低くなります。

その理由は、対流圏にある空気の温度のせいです。

暖かい空気は体積が大きくなり、冷たい空気は体積が小さくなるため、緯度が低いところ(赤道付近)の方が対流圏界面の高さが高くなるのです。

では「温度」はどうでしょうか?

対流圏界面の温度と緯度の関係

対流圏界面の高さは、緯度が高いところより低いところ(赤道付近)の方が高くなっていました。

しかし温度は逆です。
温度は、緯度が低いところ(赤道付近)の方が低くなります。

以下、表にまとめました。

緯度対流圏界面の高さ対流圏界面の温度
低い(赤道付近)高い低い
高い(北極や南極付近)低い高い

なぜ暖かいはずの赤道付近の方が、対流圏界面の温度が低くなるのでしょう?

その理由は「対流圏では上層ほど気温が下がる」ことにあります。

高度が高くなる分だけ気温も下がっていくので、北極の2倍近い高さがある赤道付近の対流圏界面では、温度が低くなるのです。

ちょっと計算してみましょう。

対流圏界面の温度を計算してみよう

本当に赤道付近の方が、対流圏界面の温度は低いのか、実際に簡単な計算をして確かめてみましょう。

北半球が夏の場合

赤道付近の地上の気温:30℃
北極付近の地上の気温:0℃

上空へ行くほど気温が下がる率:6.5 ℃/km・・・(気温断熱減率といいます。)

上記の条件で計算してみると・・・

赤道付近の対流圏界面(高さ16km)の気温は
30℃ ー (6.5℃×16)=30℃ ー (104℃)=ー 74℃

北極付近の対流圏界面(高さ8km)の気温は
0℃ ー (6.5℃×8)=0℃ ー (52℃)=ー 52℃

何と・・・
赤道付近は「ー 74℃」、北極付近は「ー 52℃」となり、赤道付近の方が温度が低いことがわかります。

なんだか数字のマジックみたいですが、算数で証明できました。

地球の大気って不思議ですね。

まとめ

対流圏界面とは、対流圏と成層圏の境界領域のこと。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
気象学って面白いですね。

対流圏界面の
高さは、緯度が低い方(赤道付近)で高くなり、緯度が高い方(北極や南極付近)で低くなる。
温度は、緯度が低い方(赤道付近)で低くなり、緯度が高い方(北極や南極付近)で高くなる。

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