【熱力学第一法則】これで理解できる!エネルギー保存の秘密

ここでは、気体に関する熱力学の第一法則について学びます。

デミー先生
デミー先生

文系さんでも、理科の授業を忘れてしまった方でも、大丈夫。

私がわかりやすく説明しますからね!

熱力学第一法則は、物理や数学の苦手な人にとっては、記号だらけで難しそうに見えますよね。

でも、実はとてもシンプルで、私たちの身近な現象を説明する「エネルギーの貯金箱の法則」なんです。

まずは、この法則を日本語で見ていきましょう。

熱力学の第一法則

「エネルギーの増加分(ΔU )」=「受け取った熱量(Q )」+「受け取った仕事(W )」

「エネルギーの増加分(ΔU )」の前に、「受け取った熱量(Q)」+と「受け取った仕事(W )」について、具体的な例を交えながら説明していきます!

受け取った熱量(Q )とは?

熱量 Q は、気体が外部から受け取った熱の量を表します。
ポイントは、「熱が出入りする方向」に注目すること。

  • 熱量 Q プラス( Q > 0 )外部から熱が加えられた場合。例えば、ストーブで温められたり、太陽の光で暖められたりしたとき。
  • 熱量 Q マイナス( Q < 0 )外部に熱が放出された場合。例えば、気体が冷やされたり、氷で冷却されたりしたとき。

身近な例

熱量 Q の概念を、身近な例で考えてみましょう。

例えば、あなたがコップに入った冷たい水を飲もうとしたとき、コップの外側に水滴がつきますよね。

これは、コップの中の冷たい水が、周囲の空気から熱を奪っているからです。このとき、水は外部から熱を受け取っているので、熱量 Q プラスになります。

次は、多くの人がつまずきやすい「受け取った仕事(W )」について解説していきましょう。

受け取った仕事(W )とは

熱力学第一法則の W は、「外部からされた仕事」を表します。これがポイントです。

身近な例

W(仕事)は、「気体が外部からされる仕事の量」です。

  • 仕事 W プラス( W > 0 )気体が外部から仕事をされた場合。例えば、ピストンを押し下げて気体を圧縮するとき。
  • 仕事 W マイナス( W < 0 )気体が外部に仕事をした場合。例えば、気体が膨張してピストンを押し上げるとき。

この「された仕事」という考え方を理解するのが一番の壁です。これを乗り越えるために、身近な例を使いましょう。

例えば、あなたが一生懸命風船を膨らませたとします。

このとき、あなたが風船に仕事をしたので、風船は外部から仕事をされたことになります。この場合、風船の W プラスです。

ピストンとシリンダーで考える

熱力学第一法則:仕事(W)の図解

圧縮(外部から仕事をされる)

気体が外部から仕事をされる場合、ピストンが下に押し下げられて気体の体積が小さくなります。このとき、気体はエネルギーを受け取るため、Wプラスになります。

膨張(外部に仕事をする)

気体が膨張して外部に仕事をするときは、気体自らの力でピストンを押し上げます。このとき、気体はエネルギーを消費するため、Wマイナスになります。

エネルギーの増加分(ΔU

ΔU は、気体の温度変化と密接に関係しています。

熱力学第一法則は、気体が受け取った熱と仕事が、最終的にその気体の内部エネルギー、つまり温度の上昇分として現れることを示しています。

ΔU はエネルギーの貯金箱

想像してみてください。あなたの手元に「エネルギーの貯金箱」があります。

  • 貯金箱の中のお金:これが内部エネルギーU )です。
  • 貯金箱に入ってくるお金:これが熱量Q )と仕事W )です。

熱力学第一法則は、「貯金箱の中のお金の増減( ΔU )」が、「外から入ってくるお金( QW )」の合計に等しい、ということを示しています。

  • 温度が上がる ⟹ 貯金箱の中のお金が増える ⟹ ΔUプラス
  • 温度が下がる ⟹ 貯金箱の中のお金が減る ⟹ ΔUマイナス

QW の符号のルールを組み合わせることで、以下の3つのパターンで ΔU がどのように変化するかがわかります。

  1. 熱が加えられ、圧縮される: QはプラスWもプラス。
    貯金箱にたくさんお金が入ってくるので、内部エネルギーは大きく増加します。
  2. 熱が加えられるが、膨張する: QはプラスWはマイナス
    貯金箱にお金が入る一方で、使ってもいるので、内部エネルギーの増加は小さくなります。
  3. 熱の出入りはないが、圧縮される: QはゼロWはプラス
    熱が入ってこなくても、仕事をされることで内部エネルギーは増加します。

これで熱力学第一法則について、一通り説明は終わりです。

最後にあなたが熱力学の第一法則について、しっかり理解できているか確認するために、練習問題を解いてみましょう!

練習問題

熱力学第一法則の「エネルギーの貯金箱の法則」を思い出しながら、以下のクイズに挑戦してみましょう!

問題1

外部から熱が加えられることなく(断熱)、気体を圧縮した場合、気体の内部エネルギーはどのように変化しますか?

①増加する
②減少する
③変化なし

答え:①増加する

【解説】

熱が加えられないため、Q = 0 となります。また、気体を圧縮したということは、外部から仕事をされたということなので、W はプラスになります。熱力学第一法則 ΔU = Q + W にあてはめると、ΔU = 0 + W となり、\Delta U$はプラスになります。

問題2

気体が外部から 50 J の熱を受け取り、同時に外部に 20 J の仕事をしました。このとき、気体の内部エネルギーはどれだけ変化しますか?

30 J 増加する

【解説】

外部から熱を受け取ったので、Q = + 50 J となります。

外部に仕事をしたので、W = − 20 J となります。

熱力学第一法則 ΔU = Q + W にあてはめると、ΔU = 50 J + ( – 20 J ) = 30 J となります。

問題3

ある気体が、外部から 30 J の仕事をされ、その内部エネルギーが 10 J 増加しました。このとき、外部から気体に加えられた熱量はどれだけですか?

20 J( 20 J の熱を放出した)

【解説】

外部から仕事をされたので、W = + 30 J となります。

内部エネルギーが 10 J 増加したので、ΔU = + 10 Jとなります。

熱力学第一法則 ΔU = Q + W にあてはめると
10 J = Q + 30 Jとなり
Q = 10 J − 30 J = −20 J となります。

マイナスなので、気体は熱を放出したことになります。

さいごに

熱力学第一法則についての勉強、お疲れ様でした!

「エネルギーの貯金箱」の例えで、複雑な数式が少しでも身近に感じられたなら幸いです。

今回の記事で、熱力学の基礎は理解できたかもしれません。
しかし、本番の試験では、複雑な問題が組み合わさって出題されます。

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