ーここでわかることー
▶︎モンスーン(季節風)を簡単に解説!
▶︎なぜモンスーンが起きるのか
▶︎アジアモンスーンの大きさ
▶︎モンスーンが私たちにもたらす影響
▶︎日本にもモンスーンはあるのか
「モンスーン」という言葉、どこかで聞いたことはありませんか?
じめじめとした梅雨の時期や、東南アジアの国々を襲う激しい雨季。
これらはすべて「モンスーン」と呼ばれる、季節によって風向きが大きく変わる特別な風がもたらすものです。
実はこのモンスーン、遠い国の話ではなく、日本の天気にも深く関わっているんです!
この記事では、そんな不思議な風「モンスーン」の正体を、わかりやすく紐解いていきます。
さあ、一緒にモンスーンの秘密を探ってみましょう!
※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。
モンスーンとは?簡単に解説します!
モンスーンとは「季節風」のこと。
季節的に風向が交替する風であり、大陸・海洋間の温度差から生じている。
モンスーンの語源は、アラビア語で「季節」を意味する「mawsim(マウスィム)」。
元々はお祭りのことを指す言葉だったようですが、次第にインド洋やアラビア海(インドの西側の海)で、季節によって風向が変わる風のことを意味するようになりました。
さらに現代では、季節によって風向が交替する風のことを「モンスーン(季節風)」と呼ぶようになりました。
また単に風向きが変わるだけでなく、それに伴って降水量も大きく変化するのが特徴です。
一般的には、雨の多い季節(雨季)と乾燥した季節(乾季)がはっきりと現れます。
話をアジアの絞りましょう。
アジアに発生するモンスーンは、「アジアモンスーン」と呼ばれ、東南アジアにおいて夏場は南西から、冬場は北東から吹きます。
気象予報士試験では、梅雨の問題にアジアモンスーンが関わってきますので、受験を考えている方はしっかり覚えておきましょう。
なぜモンスーンが起きるのか
モンスーンが起こる要因は、大陸と海洋の気温の差である。
水は比熱が大きく、1℃上昇するためには多量の熱が必要です。
一方で、陸地の比熱は水より小さく、1℃上昇させるための熱量は水よりも少なくなります。
つまり、海洋は陸地より温まりにくく冷めにくいため、季節によって陸地と海洋の地表面・下層大気に温度差が発生するのです。
想像してみてください。
夏の日中に海水浴に行くと、砂浜はやけどしそうなくらい熱くなっていますが、海水は25℃程度で、熱くはありません。
陸地は温まりやすく、海水は温まりにくいために発生する現象です。
海と陸で気温の差が生まれるということは、気圧が変わるため、そこに高気圧、低気圧ができている状況となります。
すると風の循環が生まれます。
海陸風とメカニズムは同じですね!
海陸風は日中と夜間で風の向きが逆転しますが、同じ現象が一季節続くのがモンスーンです。

アジアモンスーンのスケール(大きさ)
アジアモンスーンはとても大きく、水平スケールで1万kmほど。
アジアモンスーンの成因は、ユーラシア大陸が熱されて気温が高くなり、その周辺の海洋との気温の差が季節的に大きくなることです。
特に、広いチベット高原があることで、強い日射を吸収しやすくなり、大気の加熱を促進しています。
アジアモンスーンは存在するモンスーンの中でももっとも大きいと言われ、水平スケールで1万kmほどです。
とても広い範囲に影響があり、インドから東南アジア、中国を経て、日本付近にまで至るものになります。
アジアモンスーンのスケールは、2000km~5000kmくらいの傾圧不安定波よりもはるかに大きく、超長波と呼ばれるプラネタリー派と同じくらいです。
それぞれの規模をしっかり覚えておきましょう。

アジアモンスーンが私たちにもたらす影響
みなさんの梅雨ってどんなイメージですか?
この質問をすると、西日本から西の地域と、東海から北の地域で答えが変わる傾向があります。
西日本から西の地域の人は「梅雨って言えばどしゃ降りの雨のイメージ」と答え、東海から北の地域の方は「何言ってるの、梅雨はしとしと雨でしょ?」となります。

それはなぜか?
そこにアジアモンスーンが影響してくるのですが、西日本から西の地域では梅雨時期に梅雨前線が停滞し、そこにアジアモンスーンの影響で暖かく湿った南西風が吹きつけるために、梅雨前線の活動が活発になります。
このアジアモンスーンの影響は西日本くらいまでのことが多くなるので、梅雨時の雨の降り方が同じ日本でも変わってくるのです。
遠く離れた地域の地形や大陸の存在で生じる風ですが、日本にも大きな影響を及ぼしています。
日本にもモンスーンはあるのか
日本にもモンスーン(季節風)がある。
日本にもモンスーン(季節風)があり、季節によって風向きが大きく変わります。
日本のモンスーンの特徴は次の通り。
- 夏のモンスーン(南東風)
太平洋高気圧からの湿った暖かい空気が流れ込み、梅雨や夏の高温・多湿な気候をもたらします。
梅雨前線もこのモンスーンの影響を受けて形成されます。 - 冬のモンスーン(北西風)
シベリア高気圧からの冷たく乾いた空気が、日本海を渡るときに水蒸気を吸収して、雪雲を作ります。そのため、日本海側では降雪が多くなります。
モンスーンは日本の「四季」の変化や「梅雨・冬の雪」といった特徴的な天気と密接に関係しているのです。
まとめ
モンスーンとは「季節風」のことで、季節的に風向が交替する風であり、大陸・海洋間の温度差から生じています。
モンスーンが起こる要因は、大陸と海洋の気温の差であり、海陸風と同じメカニズムです。
またアジアモンスーンはとても大きく、水平スケールで1万kmほど。
日本のモンスーン(季節風)の特徴は以下の通り。↓
- 夏のモンスーン(南東風)
太平洋高気圧からの湿った暖かい空気が流れ込み、梅雨や夏の高温・多湿な気候をもたらします。
梅雨前線もこのモンスーンの影響を受けて形成されます。 - 冬のモンスーン(北西風)
シベリア高気圧からの冷たく乾いた空気が、日本海を渡るときに水蒸気を吸収して、雪雲を作ります。そのため、日本海側では降雪が多くなります。
「モンスーンは海外での現象」というイメージがある方も多いかもしれませんが、日本にもしっかり関係していましたね。
気象に国境はない!と感じられる興味深い現象です。
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