独学で気象予報士を目指している皆さん、こんにちは!

今回は、試験対策として非常に重要な「気象衛星画像の読解」に焦点を当てた特別企画です。
過去問を題材にしたクイズに挑戦しながら、本番で役立つ実践的な知識を学びませんか?
このクイズを通して、衛星画像の「見方」をマスターし、自信を持って試験に臨める力をつけましょう。
クイズ1:積乱雲はどれ?
次の気象衛星画像(可視画像と赤外画像)を見て答えてください。

積乱雲を含む雲域は、A, B, C, D のどれでしょう?
引用:第59回気象予報士試験 学科試験 専門知識
ヒント:積乱雲は厚みのある雲で、雲頂高度が高い雲です。
積乱雲(発達した対流雲)は「C」
解説
積乱雲は厚みのある雲で、雲頂高度が高いため、可視画像でも赤外画像でも特に明るく(白く)写ります。
可視画像では・・・凹凸感 があるのが特徴。
赤外画像では・・・雲頂高度が高いと明るい白に写るので、積乱雲のような厚い雲も、上層に薄く現れる巻雲のような雲も白く写ります。

以上の理由から、衛星画像から積乱雲を含む雲域を探すときは、以下の特徴の雲域を探せば良いわけです。
- 可視画像で「明るい白!」
- 赤外画像で「明るい白!」
よって、「C」が積乱雲を含む雲域です!
クイズ2:積雲(背が高くない対流雲)はどれ?
次の気象衛星画像(可視画像と赤外画像)を見て答えてください。

積雲、または それほど背の高くない対流雲を含む雲域は、A, B, C, D のどれでしょう?
引用:第57回気象予報士試験 学科試験 専門知識
ヒント:積雲、または それほど背の高くない対流雲なので、雲頂高度は積乱雲ほど高くありません。
積雲、または それほど背の高くない対流雲は「D」
解説
積雲、または それほど背の高くない対流雲は、積乱雲と比べて発達が弱く、雲頂高度が低い積雲は、赤外画像では積乱雲ほど明るく(白く)は写りません。
一方、可視画像では、積乱雲ほどではなくても厚みを持っている雲なので、はっきりとした形状がわかります。特に表面が凹凸していることが多いです。
- 塊状の形状: 個々の雲が小さな塊として散らばっているように見えます。
- 凸凹した表面: 雲の表面は滑らかではなく、ごつごつしたテクスチャーをしています。これは、対流によって雲が成長していることを示しています。
- 明るさ: 積雲は層状の雲よりも厚みがあるため、比較的明るく(白く)見えます。ただし、発達した積乱雲よりは暗めです。
よって、「D」が積雲or背が高くない対流雲を含む雲域です!
クイズ3:層雲はどれ?
次の気象衛星画像(可視画像と赤外画像)を見て答えてください。
(※6月のある日の午前9時(日本時間)における気象衛星ひまわりの可視画像と赤外画像です。)

層雲、または 霧を含む雲域は、A, B, C, D のどれでしょう?
引用:第61回気象予報士試験 学科試験 専門知識
ヒント:層雲、または 霧なので雲頂高度は低いです。
層雲、または 霧は「D」
解説
衛星画像で層雲や霧を見分けるポイントは、赤外画像の特徴を見るのが有効です。
- 層雲や霧は地表付近にあるため温度が高く、赤外画像では暗く、ほとんど写らないことが多いです。
- 下層の低い雲(層雲も含む)は暗灰色に写ります。
- 可視画像では白く見える場合もありますが、厚みが薄く平坦で、積乱雲のような凹凸感はありません。
- 特に霧は地形に沿って広がるため、沿岸や盆地で地表面の模様が隠れるように広がって見えます。
つまり、「赤外画像で暗く見え、可視画像で平坦な白っぽい領域」が層雲や霧の目安です。
この雲域Dは、霧です。
6月は、オホーツク海で移流霧が発生しやすい時期です。
オホーツク海周辺は、初夏でも海水温が低く、そこに暖かく湿った空気(太平洋高気圧の縁から流れ込む南寄りの風など)が移流すると、下層が急冷されて空気が飽和し、移流霧が発生します。
特に6月〜7月は、本州付近が梅雨の時期で湿った空気が北上しやすく、オホーツク海高気圧の影響で冷たい海域上を流れるため、霧の発生頻度が高まります。
よって、「D」が層雲または霧を含む雲域です!
クイズ4:巻雲はどれ?
次の気象衛星画像(可視画像と赤外画像)を見て答えてください。

巻雲などの上層雲を主とする雲域は、A, B, C, D のどれでしょう?
引用:第56回気象予報士試験 学科試験 専門知識
ヒント:巻雲などの上層雲なので、雲頂高度は高いです。
巻雲などの上層雲は「B」
解説
衛星画像で巻雲を見つけるときは、以下の特徴を押さえるとわかりやすいです。
- 可視画像では白く細い筋状に写り、形がなめらかで薄い。地形や風向に沿って長く伸びることもあります。
- 赤外画像では、巻雲は高度が高く温度が低いため、白く(明るく)表示されます。ただし積乱雲のような厚みはないので、明るさはやや控えめで滑らかな質感。
- ジェット気流に沿って現れる細長い筋(シーラスストリーク)や、流れに直角な波状構造(トランスバースライン)としても見られることがあります。
- 風下にたなびく「地形性巻雲」のように、同じ場所に長時間留まるケースもあります。
まとめると、「細く筋状で、赤外では白く、高高度の雲らしい滑らかな質感」が巻雲判別のポイントです。
よって、「B」が巻雲などの上層雲を含む雲域です!
クイズ5:これは何雲?
さあ、気象衛星画像で、どの雲がどんなふうに見えるのか、基礎知識はついたはずです。
ここからは、〇雲を探すのではなく、この雲は何雲か?というクイズですよ!

次の衛星画像の、A, B, C, D の雲域は、どのような雲でしょう?
「〇雲を含む雲域」のように答えてくださいね。
(第63回気象予報士試験から引用しています。)
引用:第63回気象予報士試験 学科試験 専門知識
ヒント:雲じゃないものも混ざってます!
雲じゃない場合は、その名称を答えましょう。
A:巻雲(トランスバースライン)を含む雲域
B:積乱雲を含む雲域
C:海水
D:波状雲(高積雲 または 層積雲)を含む雲域
解説
では各雲域ごとに解説していきますね!
雲域A
雲域Aを見てみると・・・
- 赤外画像では明るい白→雲頂高度は高い
- 可視画像では灰色→厚みがない(薄い)
以上から雲域Aは、上層にあり、厚みがない雲だと考えられるので、巻雲を含む雲域ですね。
そして雲域Aには、もう一つ特徴があります。
流れの方向にほぼ直角な走向を持つ小さな波状の雲列が見えますね。
これはジェット気流や台風の周辺に現れることがあるトランスバースラインと呼ばれる上層です。
トランスバースラインは、強風軸に対応していると推定でき、この付近では航空機に影響を及ぼす乱気流に注意が必要です。
雲域B
領域Bを見てみると・・・
- 赤外画像で、明るい白→雲頂高度は高い
- 可視画像でも、明るい白→厚みのある雲
- 赤外画像でも可視画像でも、かたまり状(にんじん状)
以上から雲域Bは、上層まで達している厚みがある雲だと考えられるので、積乱雲を含む雲域ですね。
しかも形状がにんじん状なので、発達した積乱雲を含む対流雲が主体となっていると推測できます。
雲域C
領域Cを見てみると・・・
- 赤外画像では、暗い灰色→雲頂高度は低い(上層雲ほど温度が低くない)
- 可視画像では、ほとんど確認できず→ほとんど厚みがない
- 赤外画像で確認できる形は、奇妙な形状→雲ではないかも?
雲頂高度が低いとなると、層雲や霧が考えられますが、可視画像で雲域自体が確認できません。
また「流れるような」形状です。
以上から「冷たい海水の流れ」と考えることができます。
雲域D
領域Dを見てみると・・・
- 赤外画像で、灰色→雲頂高度はそれほど高くない または雲に厚みがない
- 可視画像で、灰色→それほど厚みがない
- 赤外画像でも可視画像でも、縞模様
以上から、雲域Dは、波状雲と考えられます。
波状雲は、基本的に高度の定義はないので、巻積雲や高積雲、層積雲で形成されます。
この雲域Dの場合、赤外画像で灰色ですし、高積雲や層積雲を含む雲域と考えて良いでしょう。
さいごに
今回は、気象予報士試験対策として、基本的な「気象衛星画像の見方」をクイズ形式で解説しました。
知識が身についていれば、得点源にしやすい分野ですが、最後のクイズのように雲ではないものが出題されると、本番では焦ってしまいますよね。
落ち着いて試験に臨むためには、日頃から衛星画像に慣れ、さまざまな問題に触れておくことが何よりも大切です。
もし、独学で壁にぶつかったり、勉強方法に悩んだりしたときは、一人で抱え込まず、誰かに相談できる環境があると心強いものです。
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