
ーここでわかることー
▶︎飽和混合比とは
▶︎飽和混合比の計算式
▶︎温度や露点温度との関係
▶︎エマグラムでの飽和混合比
気象予報士試験に向けて勉強していると、覚えなければならないことが多く、初めの頃はどうしても用語の丸暗記になってしまいますよね。
その一つが「飽和混合比」。
混合比との違いや、温度、露点温度との関係など、理解しきれていないのに公式だけ覚えてもうまく使えません。
とりあえず覚えておけばいいか!・・・という勉強をしていると、実際の試験では使えない知識になってしまうので、今のうちにスッキリ理解しておきましょう。
※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。
飽和混合比とは何か
飽和混合比とは、水蒸気分圧が飽和水蒸気圧に達して、水蒸気が飽和したときの混合比のことです。
簡単に言うと、湿潤空気が飽和している時の混合比が飽和混合比。
1 ㎏の乾燥空気に対して何gの水蒸気を含むことができるかを示します。
一気に情報をお伝えしてしまいましたね。
ちょっと情報が多くて、頭の中がスッキリしない!という方向けに、もう少し噛み砕いて説明しますね。
まずは、そもそも混合比とは?
混合比とは
気象学における混合比(こんごうひ)とは、湿潤空気(水蒸気を含んだ空気)において、乾燥空気の質量に対する水蒸気の質量の比のこと。
ここまで読んだあなたは、もうお分かりですね。
飽和混合比とは、その空気が可能な限り水蒸気を含んだ場合の「湿潤空気(水蒸気を含んだ空気)において、乾燥空気の質量に対する水蒸気の質量の比のこと。」ということになります。
飽和混合比の求め方(計算式)
混合比・飽和混合比の式
◆混合比=水蒸気質量[g]/乾燥空気質量[㎏]
単位は、g/kg(乾燥空気1kgあたりの水蒸気量(g))
◆飽和混合比=飽和水蒸気質量[g]/乾燥空気質量[㎏]
近似式では、
混合比=0.622×(水蒸気の分圧/湿潤空気塊の圧力)
飽和混合比=0.622×(飽和水蒸気の分圧/湿潤空気塊の圧力)
気温が同じなら・・・
気圧が高い方が、飽和混合比は低くなる。
気圧が低い方が、飽和混合比は高くなる。
気圧が同じなら・・・
気温が高い方が、飽和混合比は高くなる。
気温が低い方が、飽和混合比は低くなる。
さらに詳しい内容は、エマグラムを学ぶときに説明します。エマグラムで考えたほうが分かりやすいと思います。
飽和混合比と温度の関係
温度が上昇すると飽和混合比も増加します。
温度が上がると飽和混合比も増える理由は、暖かい空気ほど多くの水蒸気を含むことができるからです。
露点温度との関連
露点温度は、その温度における飽和混合比と同じです。
ある空気塊の混合比(実際の水蒸気量)がわかれば、その空気塊を冷却していった場合に水蒸気が凝結し始める温度、すなわち露点温度を求めることができます。
エマグラムで見る飽和混合比
エマグラムには飽和混合比線が含まれていて、めあての空気が上昇した場合の雲底高度を推測することができる。
気象予報士試験で登場する天気図には、エマグラムという上空の気温、湿度、風などの情報を視覚的に表現した特殊なグラフがあります。
エマグラムの構成要素には、乾燥断熱減率や湿潤断熱減率とともに、等飽和混合比線も含まれます。
試験で飽和混合比線を使うパターンの多くは、「持ち上げ凝結高度」を求める場合や、めあての空気の相対湿度を求める場合ですね。
等飽和混合比線はどこ?
エマグラムで等飽和混合比線を探すのは簡単。
一番垂直に近い線で、下図では細い青線が等飽和混合比線です。
引用:気象庁HP「ラジオゾンデによる高層気象観測」
まとめ
飽和混合比とは、水蒸気分圧が飽和水蒸気圧に達して、水蒸気が飽和したときの混合比のこと。
混合比・飽和混合比の式は
◆混合比=水蒸気質量[g]/乾燥空気質量[㎏]
◆飽和混合比=飽和水蒸気質量[g]/乾燥空気質量[㎏]
温度が上昇すると飽和混合比も増加する。
露点温度は、その温度における飽和混合比と同じ。
エマグラムには飽和混合比線が含まれていて、めあての空気が上昇した場合の雲底高度を推測することができる。
▶︎参照エマグラムはこちら
学生さんの「三角関数って何の役に立つの?」と同じくらい、「何の役に立つの?」と言われそうな飽和混合比ですが、実はとても重要な指標です。
気象予報士を目指して勉強している方は、混合比や露点温度とともにしっかり理解しておきましょう!
「気象予報士の資格は取りたいけど、どのように勉強すれば良いのかわからない」
「テキストを買ってみたけれど、わからないことだらけ…」
「一人で受験勉強をする自信がない」
などなど、一人で悩んでいませんか?
気象予報士アカデミーでは、LINEでの受講相談を受け付けております。
友達登録していただいた方には、3分でわかる気象予報士合格ポイント動画をプレゼント!
ぜひご登録ください。
\ 講座へのご質問はお気軽に! /