はじめに

気象予報士に合格するためには、「広く」「深い」知識を習得していく必要があります。

気象予報士試験は、理科的な基本的な問題、数学的な計算問題、地学、法律など問題が多岐にわたります。その為、文系の方でも理系の方でも、誰でも不得意とする分野があります。
ですので、気象予報士試験の勉強は、疑問や質問なく勉強を終えて合格することはほぼ不可能と思ってください。そして、だからこそ、重要なのは「実力が付く質問をする」ことです。

講座や家庭教師などで勉強している方はサポートを徹底的に利用しましょう。そして、せっかく質問をするのであれば、実力が付くように、上手に質問をしていきましょう。

実力が付く質問の仕方

気象予報士講座を運営をスタートしてから、毎日たくさん来る受講生の方からの質問を見てきました。中には、上手に質問する方もいれば、正直、質問の仕方が上手でないな、と思う方もいます。
そして、質問が上手な人は順調に勉強を進めて合格され、質問が上手でない方はなかなか合格が出来ない傾向がはっきりとしています。


ですので、資格試験の勉強全般に言えることですが、気象予報士試験の勉強においても、上手に質問をすることが大切!!
今回は、気象予報士試験に合格する実力が付く質問の仕方を考えていきます。

質問をするタイミング

あなたは、疑問や質問があれば「すぐに質問するタイプ」ですか?それとも、「まずは自分で解決できるかをまずトライして、だめだった場合に質問するタイプ」ですか?

上手に質問をするにはやはり後者の「まずは自分で解決できるかをまずトライして、だめだった場合に質問する」を取り入れましょう。

まず、「わからないことが起こった瞬間、質問をする」ということは、その質問の回答が返ってきたとしても、その時にわかった気になるだけで、知識として定着させることは難しいです。

気象予報士試験の問題は、過去問を少し違った角度から再度出題する、ということがあって、問題の答えだけ見てわかった気になっていると、ちょっと変えて出されたら対応できなくて、点に繋がらない場合があります。

質問をする際に、まずは自分で解決できるかトライすることは、つまり、疑問点の周りをほじくり返し、調べていくことです。それでもわからないということは、そもそも自分が調べるところが違っているのか、周りの情報もわかっていないのか、周りの情報と繋げて考えられていないかなどを確認することです。

ですので、周りの情報の勉強もできますし、質問の深堀もできます。

しかし、自分でわかるまで頑張る!!1時間でも2時間でも!では長すぎます。

確かに自分で考えて解決しようとする試みは大切ですが、それによって長時間使ってしまったら効率が良い勉強の仕方にはなりません。自分でトライする時間がどれくらいにするのか、が大切です。

「じゃあどのタイミングで質問をすべきなのか?」

その一つの指標となるのが「Google人工知能チームの15分ルール」だと思います。X投稿をお借りします

Google人工知能チームの15分ルール

Google人工知能チームの15分ルールの概要です。

最初の15分は自分で解決を試みる
15分経っても解決に至らなかった時は必ず人に聞く
前者を守らないと他人の時間を無駄にし、後者を守らないと自分の時間を無駄にする。

もちろん、すべての疑問を15分ルールに当てはめる必要はありません。もっと短くても、もっと長くても良いです。しかし、3分は短すぎますし、1時間も2時間も悩むのは時間の無駄です。

「じっくり考えてみたけど、やっぱりわからない、質問しよう」という状況で、質問をして、回答が返ってきたら、それは記憶に残りますよね?

瞬間的に質問をしている状況では実力はつきません。必ず「自分で解決するようにトライする」ステップを踏んで、実力を付けていきましょう。

次は質問の内容についてです。

質問の内容

全ての質問ではないですが、ある程度テンプレート(形式)を使うと、上手に質問が出来て、得たい回答が返ってきやすくなります。

1.疑問を持った箇所

資料のどのページ、何回目の講座のこのパートなど、疑問に持った箇所を講師にもすぐにわかるように明示する。
受講生の方の中に、これがない方がいて、「どこにある文章?」と聞くと、「わからなくなりました」と答える方がいます。自分が忘れてしまうこともありますし、気象予報士試験は似たような内容でも、学科一般にも専門にも実技にも出てくることがあります。必ずどこの分野のどの箇所か、番号があれば番号を明示することを心がけましょう。

2.自分が確認したことや資料

疑問を持って、自分で何かを確認することがあったら、その情報も盛り込む。例えば、「ググりました」「業務支援センターの資料ではこうなっている」などで良いです。その確認したものが正しいのか、この質問に対して、その確認ステップは不要だよ、などというアドバイスにも繋がります。

3.自分が想定した解答

「こうなっているが、自分はこうじゃないかと考えた」という情報があれば、必ず質問内容に加えてください。ここが一番大切です。

例を挙げます。こちらは実際の質問です。

良い点1.分野と講座名がある

学科一般なのか、専門なのか、実技なのかが明示している
 ⇒気象予報士試験では、例えば台風であれば一般も専門も実技もあるので、どの分野か明示していると講師が確認しやすい

良い点2.疑問点箇所がある

今回はテストについての疑問ですが、何番という記載があり、疑問点箇所が明確になっている。

良い点3.「自分はこう思った」がある

自分はこう思ったが、なぜこうなるのか?という疑問を投げかけることで、この受講生の方がどういう考え方で、疑問を持ったかがわかります。


特に良い点は③番です!!!

「答えが0.25℃になるかわかりません」のような質問だと、どういうロジックで疑問に思ったのか講師に伝わりません。
一方で、「自分はこう考えた」のロジックを入れることで、どの点がわからないのかが明確になり、講師も的確な解答が出来ます。

こういう質問を続けると、「この人、前はこう考えてたから、ここの点が躓きやすいのではないか」などとサポートする側にもみなさんの苦手な点や、間違えやすい箇所などがわかるようになってきますので、よりその方に合ったアドバイスができるようになってきます。

結果、上手に質問をすることが、合格への近道に繋がります!

最後に

気象予報士試験の勉強時間は独学だと1000時間、講座に入ったとしても500時間がかかると言われています。
1時間でも2時間でも効率よく勉強をして、合格を手に入れたいのであれば、実玉が付く質問をしていくことが大切です。
独学ではなく、何らかのサポートが受けられる状況であれば、質問をして、確実に実力を付けて、合格を目指していきましょう