【JPCZ】とは?里雪型・山雪型との関連から試験対策まで

JPCZ基本ポイント
  • JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)は、「大雪をもたらす、最強の雪雲のベルト(列)」。
  • JPCZは、長白山脈(白頭山など)によって引き裂かれた風が再び合流することで生まれる。
  • JPCZは「里雪型(さとゆきがた)」の気圧配置の時に形成されやすく、平野部に記録的な大雪をもたらす主犯格となる。

受講者さんからの質問です!

受講者
受講者

JPCZは、里雪型の時に現れやすいということですが
山雪型の時は、現れないのでしょうか?

デミー先生
デミー先生

山雪型でもJPCZが発生しますが、頻度は圧倒的に里雪型のときのほうが多くなります。

まずJPCZについて、詳しく説明していきますね。

日本海に形成される収束帯、通称JPCZ(Japan Sea Polar Air Mass Convergence Zone)は、冬型の気圧配置の際にしばしば観測され、日本海側の広い範囲に大雪をもたらすことで知られています。


2025年1月30日12時

引用元:気象庁「気象衛星ひまわり」

しかし、このJPCZが「里雪型」と「山雪型」という異なる降雪パターンを持つ地域のうち、どちらの状況でより顕著に現れるのか、そしてその背景にはどのような気象学的メカニズムが隠されているのかについては、意外と知られていないかもしれません。

本記事では、JPCZが里雪型、山雪型のいずれの時に現れやすいのか、その理由を詳しく掘り下げ、気象予報士試験対策の情報もお伝えしています。

受験生は、必見です!

※この記事は、当講座に在籍する気象予報士が監修しております。

JPCZとは

JPCZ(ジェイピーシーゼット)は「日本海寒帯気団収束帯」という少し難しい名前の略称です。

一言で言えば、「大雪をもたらす、最強の雪雲のベルト(列)」です。

JPCZができるまで

JPCZがどのような過程で形成されるのか、順を追って説明しますよ!

冷たい風がやってくる

冬になると、シベリア大陸からとても冷たい風が日本に向かって吹いてきます。

山脈で分かれる

この冷たい風は、朝鮮半島にある高い山脈(長白山脈など)にぶつかって、いったん二つに分かれてしまいます。例えるなら、風が山を避けるように左右に分かれるイメージです。

日本海でぶつかる!

分かれた風は、日本海の上で再び合流しようとします。このとき、二つの風がぶつかり合う場所ができます。これが「収束帯」と呼ばれるものです。

雪雲がモクモク

日本海は、大陸から来る冷たい風に比べて海水が温かいので、ぶつかり合った風はたくさんの水蒸気をもらいます。
そして、この水蒸気を含んだ空気がぶつかって上に昇ることで、どんどん雪雲が発達します。

「雪のライン」の完成

発達した雪雲が、まるで一本の帯のように連なって、日本海から日本の陸地に向かって流れ込むのです。
これがJPCZの正体です。

JPCZが発生する要因

先ほど【JPCZができるまで】でお伝えした通り、JPCZが発生するのは、朝鮮半島北部に位置する長白山脈(最高峰:白頭山2,744m)の影響です。

冬型の気圧配置が強まると、大陸から冷たい風が日本海に流れ込みますが、この冷たい風は、長白山脈によって、いったん二分されます。

そして、その風下である日本海で再び合流し、収束帯(雪雲が発達しやすいライン)が形成され、雪雲が発達しやすくなります。

JPCZが雪を降らせる範囲

この領域が南下し陸地にかかると、その場所では大雪となります。
JPCZの上陸地点は、気圧配置に対応して東西に移動するため、決まった位置というのはなく、東北南部から山陰までの広い範囲に影響を及ぼします。

また、寒気が非常に強い場合は、風上の山地を超えてJPCZが流入することがあり、太平洋側でも大雪になることがあります。

「里雪型」と「山雪型」との関係

日本海側の雪の降り方には、大きく分けて「里雪型」と「山雪型」という二つのパターンがあります。

山雪型:


主に山間部で雪が多く降るタイプです。
天気図では、等圧線が南北にきれいに並んでいることが多いです。強い風が山にぶつかって雪雲が発達するイメージです。

引用:気象庁2025年2月19日

里雪型:


主に海岸沿いや平野部で雪が多く降るタイプです。
天気図では、日本海の等圧線が「く」の字に大きく湾曲したり、袋のようにたるんだりするのが特徴です。

引用:気象庁2022年12月23日

上空に強い寒気が流れ込んでいる時に起こりやすく、海上で雪雲が発達しやすいため、そのまま平野部に雪が降ります。
人が多く住む地域に影響が出やすいので、特に注意が必要なタイプです。

デミー先生
デミー先生

JPCZは、この里雪型の時に特に顕著に現れることが多いです。なぜなら、里雪型になるような気圧配置の時、JPCZができやすい条件が揃うからです。

JPCZは山雪型では現れないのか

このように言うと、等圧線が混み合う山雪型のほうがJPCZが多く発生しそうですが、山雪型の場合は、等圧線が南北にのびるため、風向きは北西~北になることが多いです。

そうなると、長白山脈で分流した風が収束する場所が朝鮮半島であったり、朝鮮半島のすぐ東の海上になるため、十分な潜熱や顕熱の供給を受けることができず、JPCZが形成されにくいです。

そもそも、JPCZは下層にできる気圧の谷なので、日本海に気圧の谷ができやすい里雪型のほうが発生頻度は多くなります。

以上より、山雪型でもJPCZが発生しますが、頻度は圧倒的に里雪型のときのほうが多くなります。

気象予報士試験対策

気象予報士試験の対策として、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)に関連する天気図の解析ポイントを整理しました。

1. 850hPa面と700hPa面での着眼点

JPCZが形成されている場所は、以下の理由で周囲(寒気の筋状雲が並んでいる領域)よりも気温や相当電位位が高くなります。

  1. 潜熱の放出: JPCZでは強い収束によって背の高い積乱雲が激しく発達します。水蒸気が凝結して雲(水滴・氷晶)になる際に大量の「凝結潜熱」を放出するため、大気が暖められます。
  2. 空気の収束: 南からの相対的に暖かい空気や、水蒸気を豊富に含んだ空気が集まる場所であるため、結果として周囲の極寒の気団よりも温度が高く解析されます。
  3. 700hPa鉛直流との関係: 強烈な上昇流(負の値)の領域と、この温度の極大部(温暖隆起)が一致するのがJPCZの特徴です。

2. 地上天気図での着眼点

地上では、気圧の微細な変化と風の分布がヒントになります。

JPCZ付近では、局地的に気圧が低くなる(気圧の谷となる)ため、等圧線は「高圧側に向かって凸(食い込む形)」に曲がります。

試験対策として整理します。

  • 等圧線の屈曲: 日本海上で等圧線が高圧側へ向かって凸に曲がる。
  • 気圧の谷: この屈曲は、JPCZに伴う対流活動によって局地的に気圧が低くなっている「気圧の谷」を示している。
  • 風の収束: この屈曲の頂点(谷の軸)に向かって、北側の北よりの風と南側の西よりの風が合流(収束)する。

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