2023年春、スギ花粉が去年よりも非常に多く飛ぶというニュースを
各局報道しています。
実は、花粉の飛ぶ量は
前の年の夏に大きく影響されるって
知っていましたか?
花粉が多く飛ぶかは前年の夏による
スギは一本の木に雄花と雌花が咲きます。
花粉を飛ばすのは雄花です。
スギの雄花。見ているだけで目が痛くなってきます。
花粉の飛ぶ量は、前年夏の、以下の条件に影響されます
- ①日照時間が多いこと(降水量が少ないこと)
- ②気温が高いこと
晴天が続き、太陽の光をたくさん浴びることで
スギの成長が促され、多くの雄花が作られ、翌年の花粉の飛ぶ量が多くなります。
逆に、雨や曇りの日が多いと、
翌年の花粉の飛ぶ量は比較的少なくなります。
2022年夏はどうだったか
2022年夏の印象といえば「空梅雨」と「猛暑」ですよね。
6月は雨が少なく、びっくりしました。
参照:気象庁
7月や8月もうだるような暑さが続き、
人間はバテバテですが、スギの花にとっては成長の良い機会となりました。
余談ですが、
花粉は、飛ぶ量が多い年と相対的に少ない年が交互に来ているみたいです。
西暦が奇数年は花粉が多い年、偶数年は少ない年とのこと。
2023年は奇数年なので、飛ぶ量が多い年にあたりますね。
花粉がよく飛ぶ天気
春が来て、花粉の飛散が始まっても、
その中でよく飛ぶ日と飛びにくい日があります。
よく飛ぶ日は、
晴れて空気の乾燥している日 です。
雨が降ったり、空気が湿ったりしていると、
花粉が遠くまで飛びづらいのですが、
空気が乾燥していると遠くまで飛ぶことができるため、
花粉症の症状の方は注意が必要です。
例えば、こんな天気の日は花粉がよく飛ぶ可能性が高いです。
参照:気象庁
春の移動性高気圧は
穏やかに晴れて、空気が乾いていることが多いので、花粉を飛ばすには絶好の気圧配置となっています。
この時期、テレビやネットで「高気圧に覆われるでしょう」という単語を聞いたら、その日は花粉注意ですね!!
関連記事:予報士アカデミー過去記事「春や秋には移動性高気圧や温帯低気圧が周期的に通るのはなぜでしょうか」
2023年花粉のピーク
スギ花粉は2月末から徐々に飛び始め、2023年の飛散のピークは、
日本気象協会によると、
福岡で2月下旬から3月上旬、高松や広島、大阪、名古屋では3月上旬から中旬の予想となっています。
金沢、東京、仙台では3月上旬から下旬のようですね。
ピークのときには、1平方メートルに1000個以上(!)の花粉が飛ぶ日もあります。
・・・みちみちですよね・・・。
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スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉のピークが始まるため、
花粉症の方にはつらい時期が続きますが、
少しでも快適に過ごせるように、次に対策を記載しました。
花粉症を少しでも和らげるために
花粉症対策としては
- ①出かける際にマスクやメガネ、帽子を着用する
- ②花粉が付きづらい服を着る(ポリエステル素材など)
- ③帰宅時に服や髪を払って、花粉を家の中に入れない
- ④洗濯物の外干しを避ける、もしくは取り込むときによくはたく
などがあります。
2月から5月ごろは花粉の時期ですが、
天気も安定して、気持ちの良い季節になるため、
ぜひ万全の対策をなさって、お出かけを楽しんでみてはいかがでしょうか
気象予報士ががんばってできる花粉予測
ちなみにですが、花粉の観測・予報ってどうやってできていると思いますか?
それは気象予報士の努力なんです!
「今週は花粉が多い」「明日は花粉が少ない」などの花粉情報は、天気予報のデータと実際に飛散している花粉の量などいろいろなデータをもとに作られます。
では、実際に飛散している花粉の量をどうやって調べるかと言うと…。
ビルの屋上などに花粉が着くようにワセリンを塗ったプレパラートを置いておきます。
それを一日放置し、翌日に1センチ四方のプレパラートに着いた花粉をひたすら数えます!
野鳥の会の方が使うようなカウンターをカチカチならしながら。
各地で気象予報士(もしくは会社のスタッフ)が数えたその情報を日々集め、ピークが終わった、まだまだこれから!などの予測に役立てます。
私は花粉症ではなかったのですが、やはりスギ花粉ばかり見ていたら鼻がムズムズした感じになってました。
気象予報士ががんばってる花粉情報、ぜひ生活にお役立てくださいね!
〈参考〉