2025年8月24日(日)、気象予報士試験が全国8会場で実施されます。
第64回目となるこの試験には4,496人が受験予定です。
真夏の猛暑の中、未来の防災や気象サービスを支える「気象プロフェッショナル」を目指して頑張っている受験生たちの挑戦となる日。
気象予報士試験は、合格率5%前後の難関国家試験でありながらも、毎回多くの受験者が挑戦します。その背景には「資格を取って就職したい、転職したい」という方だけではなく、「天気が好き」「社会の役に立ちたい」と趣味で受験する方も多く、10代から80代まで世代を超えた幅広い世代の方がチャレンジしています。
今回は第64回気象予報士試験 申込者の特徴を分析していきます。
気象予報士試験受験者数は増加傾向
2022年からは、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の影響もあってか、受験者数が例年の約3,000人台から4,000人前後へと増えており、今回の第64回も 4,496人と安定的に高い数字を維持しています。
※気象業務支援センター発表公式資料より

【気象予報士試験】気象予報士資格とは 試験内容:受験者数推移・合格率
学科試験免除の有無
気象予報士試験は 学科試験(一般知識・専門知識) と 実技試験 の3つで構成されています。
このうち、学科試験に合格すると、その合格は 1年間有効 となり、次回以降の試験で「学科免除」の申請が可能になります。
第64回試験の免除「なし」と「あり」の比率
- 免除なし:2,909人(64.7%)
- 免除あり:1,587人(35.3%)
およそ3人に1人は過去の合格実績による免除を利用して受験しており、継続して試験に挑戦している層が一定数存在していることが分かります。
このうち、やはり「免除あり」の人は、かなり勉強されているので、気象予報士アカデミー受講生でも、免除ありからの合格率は格段に高くなります。
男女比
男性が約4分の3を占めていますが、女性も約1,000人以上が挑戦。過去と比べて女性比率が増加傾向にあります。近年は女性キャスターのエイジジェンダー(年齢による役割の固定概念)が払しょくされつつあり、女性の気象キャスターも長く続けられる職業として定着してきたことや、「気象を学びたい」という関心が広がっていることがわかります。
気象キャスターの仕事とは 女性キャスターが長く活躍する時代に
- 男性:3,409人(75.8%)
- 女性:1,087人(24.2%)
年代別の特徴
- 20歳未満:215人(4.8%)
- 20代:1,250人(27.8%) ← 最も多い層
- 30代:778人(17.3%)
- 40代:587人(13.1%)
- 50代:664人(14.8%) ←意外に多い層
- 60代:686人(15.3%) ←意外に多い層
- 70歳以上:316人(7.0%) ←意外に多い層
気象予報士試験の最大の特徴はとにかく受験する年齢層が広いことです。
受験層のピークは 20代で約3割を占めます。これは転職や就職を目的に受験する層が多くを占めます。
しかし注目すべきは、50代以上で全体の約37%を占める点。つまり「社会人・定年後の学び直し組」が非常に多いことが気象予報士試験の特徴です。
気象予報士アカデミーでも、「仕事が一段落したのでずっと好きだった気象を学びたい」という受講生の方がとても多いです。
今回の受験者数の最年少と最高年齢
- 最年少:10歳(東京会場)
- 最高齢:86歳(東京・大阪会場)
- 平均年齢:42.3歳
年齢層は最年少10歳、最高齢86歳と非常に幅広く、多くの世代に門戸が開かれている国家試験であることが際立っています。
ちなみに、最年少の合格者は2017年と2021年に合格している小学6年生が2名。今回の10歳の方が合格すれば、歴代最年少記録を更新することになります。
【気象予報士試験】 最年少合格者は?最新の平均合格年齢は?
冬(1月試験)と夏(8月試験)の比較
過去の傾向として、1月試験より8月試験のほうが約100~200名多い傾向があり、第64回もこれに沿った動きと推察できます。

動機の多様さが反映される受験者層
令和2年度調査では82%が「知識取得や趣味のため」に受験し、29%が「就職・転職目的」と回答。つまり、 趣味志向や学びを目的とした受験生が多い傾向は今回も変わらないと考えられます。
試験会場情報
今回の第64回試験会場は全国8か所に設置されています。受験票に記載された試験会場を必ずご確認のうえ、当日は余裕を持って到着できるようご準備ください。
- 北海道:大原簿記情報専門学校札幌校(札幌市北区北6条西8丁目)
- 宮城県:東北電子専門学校(仙台市青葉区花京院1-3-1)
- 東京都:タイム24ビル(東京都江東区青海2-4-32)
- 東京都:TFTビル 東館(東京都江東区有明3-6-11)
- 東京都:成蹊大学(東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1)
- 大阪府:天満研修センター(大阪市北区錦町2-21)
- 福岡県:福岡商工会議所(福岡市博多区博多駅前2-9-28)
- 沖縄県:沖縄大原簿記公務員専門学校(那覇市旭町114-5)
第64回気象予報士試験の解答速報はいつ発表されるのか?
第64回気象予報士試験(2025年8月24日実施)を受験された方にとって、最も気になるのが「解答速報はいつ出るのか」という点です。
まず、気象業務支援センターによる公式解答は、例年「試験から約10日後」に発表されるのが慣例です。
公式の正答発表は慎重な確認作業を経て行われるため、すぐには公開されません。そのため、今回も8月下旬から9月上旬にかけて公開される可能性が高いと見込まれます。
気象予報士アカデミーでは学科一般・専門の解答速報を2日後の8月26日(火)に発表予定です!公式の発表までの参考にされてください。
さいごに 第64回気象予報士試験試験に挑む方へ
今回の第64回気象予報士試験に挑戦される(された)皆さん。
これまで積み重ねてきた勉強の努力は、決して無駄になることはありません。
これから試験を受ける方はまずは体調を万全に。夏の試験は外の暑さ、会場の冷房の効き具合などとも戦う必要あります。試験で全力がぶつけられるようにお祈りしています。
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試験を受けられた方。試験本番で全てを出し切れた方も、悔いが残る方も、今日までの過程が確実に皆さんを成長させています。
気象予報士は、気象災害から人々の命を守り、社会に貢献できる数少ない国家資格です。合格を勝ち取った先には、気象のプロとしての新たな未来が待っています。
どうか結果が出るまでの間、ご自身を労わり、少し休息を取ってください。そして、また新しい一歩を踏み出す力に変えていきましょう。
私たちも、気象の道を志すすべての皆さんを心から応援しています。