学科一般

湿った空気と乾いた空気では気温減率が違います。 乾いた空気は1キロで10度、湿った空気は1キロで5度変化します (その平均が気温減率6.5度/kmなのです) なので、上空の同じ高さの乾いた空気と普通の空気を100メートルだけ下げてみましょう 乾いた空気のほうが1度高くなりますが、普通の空気は0.6度しか低くなりません。 ということは、乾いた空気の方が温度が高いので軽いわけで、上空にとどまるしかないのです。 実は上空の冷たい空気がその高さにあるのは気圧が低いだけで、 気圧を同じにすると、上空の気温と地上の気温を比べると、上空の空気のほうが温度高い場合もあるのです。ですので、常に大気の状態が不安定というわけではありません。

「絶対温度」は摂氏(せっし)0℃を273K とするものです これ、シャルルの法則に関連があります むちゃくちゃ雑に説明すると、圧力一定として気体を冷やすと 摂氏マイナス273℃で、気体の分子の活動がなくなる(理論上)という意味で、このマイナス273℃を「0K」=絶対0度と定めたわけです。

私たちが普通使う温度は摂氏(せっし)で この絶対温度と互換性があります 摂氏0℃=273K。10℃だったら、273Kに10を足した283Kになるのです。

気象予報士試験で出てくる計算で温度を使うときは 絶対温度を使うことがほとんどです(物理とかもそうですね) (一方で、物理とほとんど関係ない計算では摂氏をつかうこともたまにあります  今後出てくるフェーン現象など) 予報士試験では摂氏の温度も絶対温度も両方出てきますから その使い分けも意識しながら勉強していきましょう!

寒気と暖気の境界線です。前線の南側が基本的に暖かく、北側が冷たいですよね 多くの場合、発達の過程で、低気圧は前線を伴います。温暖前線 :低気圧の前面で寒気の上を暖気が上昇していきます。 寒冷前線 :高気圧の後面で暖気があるところに寒気が潜り込みます (*なんでもそうですが、登るほうが下るよりしんどいですよねなので、暖気はゆっくり登り、寒気の下降は早いです…)

Q< 温度風>
高度間の地衡風の鉛直シアで,実際に吹いている風ではない。     
(北半球では)温度風ベクトルの右側は暖気,左側は寒域となる。
<温度移流>
左図       
この温度風に挟まれた,三角形内部の熱エネルギー(暖気)が 高圧から低圧へ吸い出されて,実際に移動しているという理解で良いのでしょうか?温度風は吹いていない風なのに,熱の移動が起こるのかな?と疑問を感じました。

A温度風ー異なる高度間の地衡風の鉛直シア風の吹き方は地衡風に似ている。
地衡風ー高度を低い方を左に見て等高度線(等圧線)に平行に吹く
温度風ー高度・温度の低い方を左に見て等高度線(等温線)に平行に吹く  

→なので、 (北半球では)温度風ベクトルの右側は暖気,左側は寒域となります。また、温度風自体は実際に吹いているわけではないのですが 風のベクトルで表すことができます。

温度移流についてですが、シンプルに考えましょう 詳細は添付した資料を見ていただきたいのですが、 温度風を考えたときに 暖気移流は、「高度が違う2つの風のベクトル」が それぞれ両方とも、暖気域側から寒気域側に向けてまたいで吹いています 寒気移流は、「高度が違う2つの風のベクトル」が それぞれ両方とも、寒気域側から暖気域側に向けてまたいで吹いています (注:温度風は、暖気域と低温域の間、等温線に平行に吹きます) 単純に暖かい方から寒い方、寒い方から暖かい方に吹いているだけのことです 図をみてしっかり確認してみてください。

 

蒸気霧=蒸発霧、滑昇霧=上昇霧
です。たしかにテキストによって言い方が異なりますよね。

平らな面に並行な状況を「水平」と言います。
高気圧、低気圧や台風などの気象現象の大きさ(スケール)を「台風の水平スケールは1,000km」みたいな感じで使います。

横方向が「水平」だったのですが、縦方向を「鉛直(えんちょく)」といいます

暖かい空気が上に上り、冷たい空気が下降する
「対流」という現象がこのあとたくさん出てきますがこの上下の運動や現象の状況を
「鉛直」方向の運動と言います。

なぜ「垂直」と言わないか…
垂直は下の面に直角な方向のことを言います。
坂のような傾いた面の垂直方向は真上では無いのです。
昔、真上、真下を調べる時に鉛の重りを使って調べたそうです。
そこから来ています。

飽和混合比とは、水蒸気分圧が飽和水蒸気圧に達して、水蒸気が飽和したときの混合比の
ことです。簡単に言うと、湿潤空気が飽和している時の混合比が飽和混合比です。
1 ㎏の乾燥空気に対して何gの水蒸気を含むことができるかを示します。


式で表すと
混合比=水蒸気質量[g]/乾燥空気質量[㎏]ですが、
飽和混合比=飽和水蒸気質量[g]/乾燥空気質量[㎏]となります。

近似式では、
混合比=0.622×(水蒸気の分圧/湿潤空気塊の圧力)
飽和混合比=0.622×(飽和水蒸気の分圧/湿潤空気塊の圧力)

気温が同じなら・・・
気圧が高い方が、飽和混合比は低くなる。
気圧が低い方が、飽和混合比は高くなる。
気圧が同じなら・・・
気温が高い方が、飽和混合比は高くなる。
気温が低い方が、飽和混合比は低くなる。
さらに詳しい内容は、エマグラムを学ぶときに説明します。エマグラムで考えたほうが分かりやすいと思います。

①大気の構造

「熱帯のほうが温度が高くなるので、空気が膨張して、圏界面が高くなる」という順番になります!

・熱帯のほうが温度が高い
・空気が膨張する
・(押し上げられて)圏界面が高くなる。

このあと「層厚」(層の厚さ)という用語がしつこく出てくるようになります
「層の厚さ」が大事になります
この概念を忘れないでください

あと、モノを暖めたら膨張する 冷やしたら小さくなる
など、身近にあって簡単にわかる常識みたいなものが
気象の世界を理解するのにカギになることが結構あります
わからないことがあったら、そこに戻るのがいいかもしれません

熱圏では大気に含まれていた分子が紫外線やX線に当たって、光解離、光電離が発生し原子や分子、イオン、電子などがバラバラになっている濃度の濃いところを「電離層」と言います。

そして、
光解離とはー0.1〜0.2μmの紫外線にあたって分子(O2)が酸素原子(O)になること。


光電離とはー0.1μm以下の紫外線にあたって原子(NやO)がイオン化し、電子が放出されること、です。



つまり、光解離では
・紫外線の波長が大きいため、分子が原子になります。


そして、光電離では
・紫外線の波長が小さい 原子がさらにバラバラになります。

もう少し説明すると、分子はO2とかCO2とかO3などの「原子が組み合わさったもの」ですが、原子はCとかOとかNとかの単体です


まとめますと、光解離で、大きめの波長の紫外線で分子が原子へとバラバラになり、光電離で更に小さい波長の紫外線で原子がさらにばらばらになって小さくなるというイメージです。

最終的に温度が上がるか、下がるかは 加熱の量と放射の量のバランスで決まります。オゾンと酸素については授業で習った「純酸素モデル」のように 紫外線というきっかけが持続することで、熱の放出も持続します。成層圏ではそれが機能しますが、中間圏ではそれがないため放射の量が多く、気温が下がってしまいます。

④大気の放射

おっしゃるとおりです。
青い空は、可視光のうち青系以外の色が散乱され、残った青い光を。
夕焼けのような赤い空は、可視光のうち赤系以外の色が散乱され残った赤い光を見ているということです。

⑤⑥熱力学

「顕熱」
熱エネルギーのやりとりや移動が伴う熱です
例えば
・ストーブにあたったら暖かい
・雪国に行ったら寒い
・湯豆腐を食べたら口の中が熱くて…
・かき氷を食べたら口の中が冷たくて…

これはすべて「顕熱」です
・ストーブの熱エネルギーが空気中を移動して感じることができたため
 あたたかくなったのです
・雪国の雪や氷、冷たい空気の冷たさが空気中を移動して感じたためです
以下略…

「潜熱」は物質、
気象の世界では、「水・H2O」の変化によって発生、消費する熱です
水は、氷(個体)、水(液体)、水蒸気(気体)に変化しますが
その「変化」のときに、「熱」が発生、あるいは消費します

たとえば、「氷が浮かんだジュース」があります
①氷は暖かい室内で、その室内の暖かさという「顕熱」をうけて溶けます
②「氷の0℃」から「水の0℃」に変わるときに「潜熱」を消費します
 (融解熱)
逆で言えば、冷蔵庫の中で作られる氷です
①水は冷蔵庫の中で、冷たい空気という「顕熱」をうけてこおります
②「水の0℃」から「氷の0℃」に変わるときに「潜熱」を発生させます
(凝固熱)

これらの熱は基本的に、これらの水の変化でのみのやりとりになります

温位は、不飽和空気塊の性質を考えたり、比べたりする時、
相当温位は、飽和・凝結している空気塊の性質を考えるときに便利な物理量です

さて、何でもそうなのですがまずは「言葉の意味=定義」を正確に捉えましょう

①温位
ある空気塊を乾燥断熱的に1000hPaまで下げた温度


②相当温位
・空気塊が含む水蒸気がすべて凝結・放熱して昇温する効果
・基準気圧1000hPaまで断熱変化した時の断熱昇温効果

以上、2つの効果考えた温度(の値)
要は「温位+空気塊が含む水蒸気がすべて凝結し昇温する効果」です。

とにかくまずは温位と相当温位の意味を確実に押さえてください

まず、温位から考えていきましょう

温位は、「断熱変化をする限りその物理量は保存」されます
要は「(ある)温位の値は、乾燥断熱変化をする限り、その値は変わらない」ということです

いろんな「飽和していない空気」を1000hPaで比べるので、
「未飽和空気の本当の状態」を知ることが可能です

たとえば
①上空1000メートルで10度
②上空2000メートルで10度


この2つの未飽和空気塊の温位を比べています
乾燥断熱減率(1度/100m)で1000hPaまで下げると

①の空気塊は20度

②の空気塊は30度

②の空気塊のほうが温位が高いというのがわかります
(本来温位は絶対温度で計算すべきなのですが、
 わかりやすくするため摂氏の温度にしています)

またこの勉強をしていく途中で
「地上の温度に比べて、上空の温度が低い」のに
「大気が不安定」じゃないのはなぜ? とよく聞かれます
ここでも温位が役に立ちます

①地上A地点の気圧を1000hPaとし、気温が10度とします

②またそのA地点の上空1000mの気温が5度とします
 その上空では未飽和とします

さて、この時
上空が冷たいのになんで大気の状態が不安定じゃないの?
という話になります

繰り返しになりますが
温位は「ある空気塊を乾燥断熱的に1000hPaまで下げた温度」でした
なので
①A地点の温位も10度です
(1000hPaにありますので値はそのまんまです)


②上空1000mの5度の空気を地上1000hPaまで下げると
 乾燥断熱減率で下がるので10度上がって、「15度」になります
 これが上空1000mの②の空気の「温位」です

ということは、

上空では5度だけど、温位が15度で、地上よりも温かいため
下降してこないということなんです(大気の成層が安定している)

温位は未飽和の空気塊の状態を考えるときに役立ちます
(安定か不安定など)

相当温位は
・空気塊が含む水蒸気がすべて凝結・放熱して昇温する効果
・基準気圧1000hPaまで断熱変化した時の断熱昇温効果


以上、2つの効果考えた温度(の値)です

また相当温位は乾燥断熱変化でも湿潤断熱変化でも保存(値が変わらない)されます

なぜなら相当温位は「凝結熱で温まった空気塊の温位」と考えるため
空気塊の「水蒸気が0」なら、凝結熱が発生しないので「凝結熱も0」ということで
「温位=相当温位」です

空気塊の水蒸気量が多いほど、「温位<相当温位」になります

相当温位は「大気の不安定度」を考えるときに非常に役立ちます。
実際の気象を予報するときに、それ専用のデータもあります。

⑦大気の力学

コリオリの力
・地球の自転による見かけの力(慣性力)です

例えば、車に乗っていて急ブレーキがかかったとします
・車は停車しますが
・乗っている人たちは進んでいる力が
 そのまんま働きますので「前に投げ出される」ような感じになります
⇒これが見かけの力(慣性力)です。

このような力が地球の自転によって働き、北半球では、進行方向に向かって右向きに働きます。

これが「コリオリ力」です(南半球では逆)

おそらく試験で単独で聞かれることは無いと思いますが
角速度=回転の速さです。


地球を北極点の上空から見たとき
例えば時点で角度で30度回転したとします(これが角速度)
同じ30度回転したとしても
北極に近いところと、遠いところで
進む距離、進む速度に差ができます
これが「コリオリ力」が生まれる理由です

またコリオリ力は高緯度で大きく、低緯度では小さく、赤道は「0」です。


北極点に立ったら、回転しているのは実感できますが、赤道では自転しているのがわからないと思います

コリオリパラメータは覚えましょう。
ただ、漫然と覚えるのではダメです。
その意味を理解しないと意味がないし、頭に入りません(他の式にも言えることです)
f=2Ωsinφ
Ωが角速度 φが緯度です

先程赤道ではコリオリ力が「0」になると言う話が出ました
sin0°=0なので コリオリ力fも「0」になります。


式がわかれば、その理由もわかりやすいですよね
角速度自体は存在しますが、それに緯度の要素が掛け合わされることで
コリオリ力の意味がきちんと出ていると思います

コリオリ力は今後、偏西風などに関係する地衡風を始めとした風の計算で必要です

地衡風など、大規模な大気の運動を学びますが、
自転効果(コリオリ力)が大規模な大気の運動ではなく
コリオリ力が大規模な大気の運動に影響すると思ってください

なお、計算させるときは
コリオリパラメータ自体に数字が与えられたり
角速度Ωは数字が与えられるはずです

サインやコサインについては
角度が、0度、30度、45度、60度、90度の数値を
覚えておいたほうがいいかと思います
(サインコサインは別のときにも出てくるので)。

まず接地逆転層も含めた3種の見分け方からです。

①接地逆転層ー放射冷却で地面が冷やされることでできる
・気温
 地面のところの気温が低く、上空に向けて気温が上がっていく
 なので地面付近からすでに逆転層となっている
 また厚みはそんなに厚くありません


・湿度
 よく晴れた日に発生するので、湿度は全部の層にわたって低い
 露点温度はかなり低く、気温の変化のグラフとはかけ離れた場所にある

②沈降性逆転層ー高気圧などの下降流によって空気が沈降して断熱圧縮・昇温することで発生
・気温ー地上から上空に向けて一旦気温は下がるが
    下降流の影響を受ける上空で断熱圧縮・昇温するため
    途中で気温が上がり、逆転層が発生する
    位置的には上空1000mより上が多いようです

・湿度ー逆転層より下はわりと湿潤
    逆転層あたりから上は乾燥(加熱によって蒸発)

③前線性(移流)逆転層ー前線通過などで冷たい空気の上に暖かい空気が乗ることで発生
・気温ー前線面で発生することもあり、上空で発生する
    1000mより上になることが多いようです
・湿度ー逆転層から上で湿潤

それぞれの見分け方は
・逆転層がどこに発生するか
・湿潤域がどこにあるか
 沈降性と前線性の大きな見分け方はそこになるかと思います。


⑧大気の大規模運動

プラネタリー波 波長1万km以上で、波数が1〜4ですが 傾圧不安定波は波長が2000〜5000km 波の数は3〜8と言われています。ザックリ倍と思っておけばいいかと思います (試験で問われるのは波長だと思います)

⑩中層大気の運動

ブリューワー・ドブソン循環
①対流圏の赤道付近である低緯度で対流活動が盛んなため
 上昇気流が発生し、対流圏界面の高度が高い


②それに押し上げられる形で
 成層圏下部から両極側に向かう流れが浮かぶ
(これによってオゾンは両極側に運ばれるわけです)


②成層圏の夏極では、白夜で終日オゾンを始めとした大気が加熱
 ⇒気温が高くなることで、上昇流が生まれる


③上昇流にのった空気塊が中層(中間圏)に達する


④成層圏の冬極では極夜(終日)夜で大気が冷やされる
 ⇒気温が低くなるため、下降流が生まれやすくなる 


⑤②と④から成層圏では
 「夏極側の上昇流」と「冬極側の下降流」のバランスから
 中間圏では夏極から冬極への流れが生まれる。

参考:イメージしやすい図がこちらにあります。

国立研究開発法人海洋研究開発機構HP